プロでも二刀流目指せる一級品の素質 東大阪大柏原・野村和輝 高校通算27発&最速148キロ

[ 2021年10月8日 05:30 ]

二刀流の可能性を秘める東大阪大柏原・野村和輝

 【無名の逸材 いざ表舞台へ】伸び盛りの男は二刀流の可能性を秘めている。東大阪大柏原の野村和輝は高校通算27本塁打のパワーに加え、最速148キロを誇る、抜群のセンスの持ち主。オリックス、巨人に在籍した土井健大監督の指導の下、着実に力をつけてきた。

 「できることなら、両方にチャレンジしたい。どちらにも楽しさがあります」

 憧れの世界に挑戦するべく、高校入学時は74キロだった体重を、一日最大8食の食事トレーニングを実践し2年半で約18キロの増量に成功。体力面でも1年の冬場は2カ月で音を上げたインターバル走を、1年後の冬には“完走”した。

 努力は裏切らない――。2年秋まで7本塁打だったが、今年3月の練習試合解禁とともに逆方向への本塁打が増え、5カ月足らずで20本を量産。投手にも挑戦し、3月には高校通算43本塁打を誇る上位候補の市和歌山・松川虎生から3球三振を奪った。

 最後の夏は本塁打こそ出なかったが全3試合で4番を打ち12打数4安打。2試合に登板し、敗れた清教学園戦では1点ビハインドの6回から救援して流れを変えたが、延長12回に決勝点を奪われた。9月末に自己最速を3キロも更新する148キロを計測。本格的な投手練習をしていないことを考えれば、驚異的ともいえる。

 5年間のプロ生活で一流選手を見てきた指揮官も「今すぐに二刀流で勝負させてくださいと言えるレベルではないが、どちらでも一流になれる、化ける可能性がある選手」とポテンシャルの高さに太鼓判を押す。「自分のプレーを見て、憧れられる選手になりたい」と野村。指名を信じて「運命の日」を待つ。(北野 将市)

 ◇野村 和輝(のむら・かずき)2003年(平15)6月7日生まれ、大阪市出身の18歳。榎本小5年から野球を始める。今津中では大阪中央シニアでプレーし内野手。東大阪大柏原では1年夏からベンチ入りし同秋から三塁レギュラー。甲子園出場なし。遠投125メートル、50メートル走6秒5。1メートル83、92キロ。右投げ右打ち。

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2021年10月8日のニュース