阪神・及川 青木&山田斬りで“7回の男”再浮上 矢野監督「使ってみたい、楽しみがある投手」

[ 2021年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-2ヤクルト ( 2021年6月30日    甲子園 )

<神・ヤ>7回、山田を右飛に打ち取り笑顔の及川(撮影・平嶋 理子)
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 雪辱の好救援だ。同点の7回1死二塁で登板した阪神・及川が、1点も許せない場面で青木、山田を打ち取り、プロ初ホールドを挙げた。

 「前回、同じような展開で点を取られてしまい、役割を果たすことができなかった。0点で帰ってくることができてよかったです」

 前回登板の26日DeNA戦では、1点リードの7回無死一塁で初めて勝ちパターンとして起用されたが、1死二塁から桑原に決勝2ランを浴びてプロ初黒星。与えられた雪辱の機会で左腕に迷いはなかった。日米通算2529安打の青木に2―2から投じた147キロ直球は梅野の構えたコースに完璧に決まり、見逃し三振。続く山田も初球148キロ直球で右飛に仕留めてシャットアウト。完璧な火消しを見せ、力強く左の拳を握りしめた。

 悔しさが残った前回登板の直後、矢野監督から掛けられた言葉がある。本塁打を浴びた1球についてだ。「あの場面はストライクを取りに行く気持ちで投げたのか、チャンスで積極的に打ってくる打者に対してボールから入ろうと思って投げたのか、どういう気持ちだったのか」――。結果を左右する「1球」の大切さ、そして怖さを教わった。この夜はその思いを胸に、難敵に立ち向かった。

 1球1球を大事に、集中して際どいコースを攻め続けた。その結果、百戦錬磨の青木には、一度もバットを振らせることすらなかった。「矢野監督から掛けていただいた言葉も自分の中で考えながら反省することができたので、きょうは抑えることができた」と胸を張った。

 20歳2カ月での初ホールド。球団左腕では史上最年少の勲章だ。「7回の男」不在を課題に挙げていた矢野監督も「使ってみたい、楽しみがある投手。打たれることも経験しながら、そこをプラスにしてやっていってくれたら」と目を細めた。目下の猛虎の弱点を埋める可能性を感じさせた夜だった。(阪井 日向)

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