ノーノー阻止!広島・野間 705日ぶり1号が決勝弾!「食らいつく気持ちでいった」

[ 2021年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-0巨人 ( 2021年6月30日    東京D )

<巨・広>8回1死、右越えソロを放ちナインに迎えられる野間(撮影・島崎忠彦)
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 広島・野間峻祥外野手(28)が30日の巨人戦で値千金のアーチをかけた。8回1死で右翼席へ打ち込み、山口のノーヒットノーランを阻止。19年7月26日のヤクルト戦以来、705日ぶりの本塁打が決勝弾になった。九里亜蓮投手(29)が8回2死まで6安打零封の粘投で6勝目を挙げ、栗林良吏投手(24)は15セーブ目。負けか引き分けで自力優勝の可能性が初消滅する瀬戸際で耐えた。

 快音を発した打球は敵地の右翼席へ飛び込んだ。0―0の終盤8回1死から、野間が値千金の今季1号。カウント1―2と追い込まれながら、シュート回転して中に甘く入ってきた149キロ直球を逃さなかった。殊勲打の28歳は破顔一笑だ。

 「ヒットが出ていない状況。食らいつく気持ちでいった結果、しっかり捉えることができた。亜蓮さんがゼロで粘り強く投げていたので良かったです」

 巨人・山口の前に打線が沈黙し、1本の安打すら出ない“ノーノー”危機。しかも、負けか引き分けなら自力Vの可能性すら初消滅する。19年7月26日のヤクルト戦以来705日ぶりの一発は、窮地を救うチーム初安打であり、決勝弾だった。

 7年目。今春は不運が重なり人知れず苦しんでいた。沖縄キャンプ中に右大腿裏痛を発症。直後の2月16日、ロッテとの練習試合ではフェンスに激突し、右膝を痛める奇禍にも見舞われた。3月4日に2軍降格。「出場機会を増やす」が表向きの理由だった。

 「打たないと試合に出られない。でも、打つだけでもダメ」

 攻守走の三拍子がそろう逸材。右大腿裏痛は存外に長引き、走れない間は打撃練習に時間を割いた。5月18日に特例2021代替選手として今季初昇格。OBでスポニチ本紙評論家の新井貴浩氏や朝山打撃コーチからは「ヒット狙いで小さくなるな」と念押しされており、窮地で教えが生きた。

 「ここ何試合か調子がいいからね。まさかホームランとは思わなかったけど、無安打に抑えられている中で大きな一発になった」。先発起用に殊勲打で応えた野間を、佐々岡監督は手放しで褒める。

 「チームが勝つために、結果を出さなければいけない立場。若手が多いけど、みんなが同じ方向を向くために、僕ら20代後半の中堅どころがそういう姿勢で頑張っていけばいいかな…と思います」

 野間が入るだけで外野守備はグッと引き締まる。才能開花に時間がかかり、届きそうで届かない定位置。今年こそ結実させたい。(江尾 卓也)

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