野村謙二郎氏 劇的勝利生んだ広島・九里の我慢強い投球 大瀬良KO、自分が…の気迫伝わってきた

[ 2021年7月1日 07:15 ]

セ・リーグ   広島1-0巨人 ( 2021年6月30日    東京D )

スポーツニッポン評論家の野村謙二郎氏
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 【野村謙二郎 視点】野球は本当に分からない。もう少しでノーヒットノーランというところからの勝利。点を取れば取られ、抑えれば取れない。投打の歯車がかみ合わない今季を象徴するような展開でも勝てたのは、広島・九里の頑張りがあったからだ。

 快投を続ける山口を横目に自分の投球に徹した。10奪三振に対して1奪三振。内容は対照的で、不運な安打が重なった初回に始まり、毎回のように走者を背負っても辛抱した。前夜は大瀬良が打ち込まれたばかり。自分が何とかする…という意地や気迫が伝わってきた。昨季、開幕から無敗の菅野に投げ勝った試合で一皮むけたと感じた。今回も九里にとって忘れられない試合になったと思う。

 打った野間は素晴らしいし、我慢して使ってきた佐々岡監督もうれしいだろう。8回2死一、二塁でのバード投入も決まった。勇気のいる交代だったと思う。九里に白星を付けたいと監督が一番思っていたはずだ。随所で辛抱の大切さを再認識した。(スポニチ本紙評論家)

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