エンゼルス・大谷 “MVP”級活躍で年俸は今後どうなる? 今オフ契約見直しも

[ 2021年7月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5-11ヤンキース ( 2021年6月29日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>3回、27号本塁打を放つ大谷(AP)
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 早くも「MVP」の声が上がっているエンゼルス・大谷だが、来季の年俸は550万ドル(約6億1050万円)と決まっている。大リーグはメジャー在籍3年目のオフに年俸調停の権利を得るが、大谷は今年2月、これを回避し、2年総額850万ドル(約9億4350万円)で契約した。二刀流本格復帰のシーズンとなるだけに2年間プレーに集中できるなど、大谷側にもメリットがあったからだ。

 もし、複数年ではなく、単年契約を結んでいたら、来季年俸はどうだったのか。ある代理人は「今季の活躍は過去のMVPとも比較できない。打撃だけでも本塁打王を獲得すれば、1000万ドル(約11億1000万円)を超える価値がある。その上、投手としてローテーションを守り、防御率2点台で、奪三振率も高い。前例がないので、具体的な数字は出しにくいが、2つ合わせると考えて、2000万ドル(約22億2000万円)近くいってもおかしくない」と話す。来季の550万ドルは今季メジャー全体の平均年俸(約416万ドル)をやや上回る程度で、エ軍にとっては格安といえる。

 だが、大谷の価値が急騰したことで、代理人が今オフに再び契約交渉を持ちかける可能性はある。同僚のトラウトも19年の開幕前に、契約を2年残しながら見直し、総額4億2650万ドル(約473億4150万円)の12年契約を結んだ。大谷サイドにとっては、契約交渉の時期は今オフがいいのか、それとも2年契約満了後の22年オフがいいのか、判断は難しいところだ。

 今オフの場合でも大幅昇給は間違いないが、二刀流として結果を残したのは1年だけで、球団側が有利に交渉を運ぶことになる。一方、もう1年待って、2年連続で大活躍すれば、23年オフにはFA権取得も控えるだけに、長期で引き留めたい球団側は本気のオファーを出すことになる。

 現在のメジャーは、超一流は年俸3000万ドル(約33億3000万円)の時代。規格外の二刀流は、球界初の4000万ドル(約44億4000万円)プレーヤーの可能性さえも秘めている。

 ≪FA権取得前に長期契約の流れ≫大リーグでは、6年目オフのFA権取得前に長期契約を結ぶケースも多い。最近ではパドレスのタティスが今年2月、総額3億4000万ドル(約377億4000万円)で史上最長となる14年契約を締結。メジャー在籍年数はわずか2年だったが、平均年俸2429万ドル(約26億9620万円)で35歳までパ軍に在籍することになった。今季はここまでナ・リーグトップタイの25本塁打。大谷よりも4歳下の22歳だが、契約内容は基準になりそうだ。

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2021年7月1日のニュース