阪神・佐藤輝 3発だ13号V弾だ ゴジラ1年目11本を5月で超えた「1本でも多く打ててうれしい」

[ 2021年5月29日 05:30 ]

交流戦   阪神10―7西武 ( 2021年5月28日    メットライフD )

<西・神>9回、この試合3本目となる3ランを放ち、両指を突き上げる佐藤輝(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・佐藤輝明内野手(22)が28日の西武戦で決勝弾を含む1試合3本塁打で自己最多タイの5打点を記録し逆転勝ちの立役者となった。新人が1試合3本塁打するのは58年長嶋茂雄(巨人)以来で球団史上初。2回に13試合、51打席ぶりの11号ソロを放つと6回もソロ本塁打。9回は同点としなおも2死一、三塁から右中間上段に値千金のリーグトップに並ぶ13号3ランを放ち、怪物ぶりを改めて証明。球宴の舞台で凄すぎる予行弾をサク裂させた。

 ミスター以来の衝撃だった。2本塁打を放ち、迎えた同点の9回2死一、三塁。佐藤輝がカウント1―2からギャレットの高め直球を完璧に捉えた一撃は右中間最上段で弾む決勝3ラン。4751人の観衆のどよめきが球場でこだました。

 「みんなでつないだチャンス。何とかここで1本という気持ちでいきました。3本の中で一番感触が良かった」

 歴史の扉を開いた。1試合3発は2リーグ制以降では球団新人初で、58年長嶋茂雄(巨人)以来3人目の快挙となった。

 「毎日1本でも多く打ちたいと思ってきた。その練習してきた結果が出て、すごくうれしい」

 2回先頭で高橋のフォークをバックスクリーンに運ぶ11号。7日DeNA戦以来13試合、51打席ぶりの一発で呪縛を解いた。3月12日のオープン戦でも高橋から左翼へ本塁打を放っておりこの日も圧巻のパワーを見せつけた。6回は内角寄りの真っすぐをフルスイングし左中間席に運んだ。自身初の1試合2本塁打はプロ入り後、初めて。同じ左の強打者である巨人・松井秀喜が新人だった93年に記録した11本塁打を超えた。

 「高卒と大卒では違うけど、1本でも多く打てたのはすごくうれしい」

 自己最多に並ぶ1試合5打点で、2日広島戦以来、2度目の勝利打点もマークした怪物の活躍ぶりに、矢野監督もただただ驚くしかなかった。

 「凄かったな。これはもう、オレの生涯忘れることができへん試合の一つになる。凄かった」

 29日からは球宴のファン投票がスタートする。7月16日の第1戦の舞台となるのが、メットライフドームで「相性はいいと思うので、明日もあさっても頑張る」と、さらなる量産態勢に自信を感じさせた。さらなるド派手な活躍が“サトテル票”となることは間違いない。

 記憶にも、記録にも残る試合となった。それでも、佐藤輝伝説においては、ほんの一部分にすぎない。(長谷川 凡記)

 <記者フリートーク> 

 ヒーローインタビューでいの一番に飛びだした「一番はチームが勝ったんで。それが一番うれしい」に偽りはない。さかのぼること4年前、近大・田中秀昌監督に見出され1年春から即5番を任された。「プレッシャーに思ったことはない。自分のやるべきことをやるだけ」。自らの豪打を磨く一方、恩師からは口酸っぱく「人間的に成長しろ」と言われ続けた。

 ドラフト1位候補に成長する中で身についたのは協調性だ。「チームの中心になっていってたんで。勝てたらうれしかった」。大学最後の大会だった関西大学選手権で優勝した翌日、佐藤輝は全体ミーティングの場で谷本甲仁主将に感謝を伝え、田中監督は「人間的にも成長したな」と目を細めたという。心身ともに近大での4年間で培った全てが、プロ1年目からの飛躍につながっている。(阪神担当・阪井 日向)

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