日本ハムのドラ1伊藤 4度目でついに北海道初勝利「特別な1勝。エースになれるよう頑張ります」

[ 2021年5月29日 05:30 ]

交流戦   日本ハム10―1中日 ( 2021年5月28日    札幌D )

<日・中>北海道初勝利を挙げた先発の伊藤(撮影・高橋茂夫)
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 小学生時代に初観戦に訪れ、プロ野球選手への夢を抱くきっかけとなった札幌ドーム。そのマウンドで日本ハム・伊藤が7回1失点と躍動し、4度目の登板で本拠初勝利をつかんだ。球団史上初の道産子としてドラフト1位指名された右腕は感無量だった。

 「北海道で勝つことの意味の大きさを改めて感じている。特別な1勝。うれしい」。初めてのお立ち台のあと「(感極まって)危なかった」というほどの感激があった。

 変幻自在だった。前回21日の西武戦は直球が走らず、プロ最短の4回1/3KO。反省から、この日は前回の35・0%から58・8%と直球の比率が激増した。直球が軸球として復活したのは、軸足へのタメを意識した2段モーション。憧れのパドレス・ダルビッシュらを参考にし、登板2日前のひらめきで野球人生で初めて取り入れた。「体全体を使ったフォームを意識した」。タイミングが合っている打者には2段と通常モーションを使い分けるクレバーさも見せた。

 これまで伊藤の登板時に1試合平均の援護点が2・3点だった打線は、今季最多タイの10得点。新人先発投手では今交流戦の初勝利となった。プロ初登板もこだわって本拠を選択した栗山監督も「北海道にとって、彼がどういう存在であるかというのはいつか形になるはず。その時に形になればうれしい」と目を細めた。

 お立ち台で伊藤は最後にこう叫んだ。「絶対、エースになれるよう頑張ります」。北海道が生んだ才能が、地元で花を咲かせようとしている。(東尾 洋樹)

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2021年5月29日のニュース