慶大・生井惇己が見せた成長 昨季逆転2ラン被弾でV逸した早慶戦で好救援「悔しさ消えるものではない」

[ 2021年5月29日 16:32 ]

東京六大学野球・最終週第1日   慶大3―2早大 ( 2021年5月29日    神宮 )

<早大・慶大>8回2死満塁、早大・熊田を二ゴロに抑え、雄叫びを上げる慶大・生井(撮影・河野 光希)
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 あの残像は、野球を続けている限り、頭から消えることはないだろう。

 2020年11月8日。勝ったチームの優勝が決まる早慶戦2回戦。慶大が1点リードのまま最終回を迎えた。2死から安打で出塁を許すと、生井惇己がマウンドに上がった。その初球、スライダーを早大の蛭間拓哉にバックスクリーンに運ばれた。まさかの逆転2ラン。チームは敗れ、優勝を逃した。

 「あと一人」からの敗戦。生井は「去年の悔しさは消えるものではない」と言う。だからこそ、今季の早慶戦に懸ける思いは強かった。

 この日は1点リードの7回から登板した。7回は3者凡退に抑えると8回1死から蛭間を打席に迎えた。

 初球は145キロ直球で見逃しストライクを奪った。スライダー、直球が外れ、2ボール1ストライクからの4球目は再びスライダー。甘く入った球を右前に運ばれた。その後も1安打と四球で2死満塁のピンチを招いたが、二ゴロに踏ん張り、無失点でバトンをつないだ。

 「昨シーズン、自分が打たれてしまって逆転された。今年こそと、熱い気持ちで上がった。8回はばたついたが0で抑えられて意地は見せられた」

 堀井哲也監督は「十分、いい投球だったと思います」と成長に目を細めた。

 チームは早大を下して8連勝を飾った。スコアはあのときと同じ、3―2だった。生井は「これからも0を継続していきたい」と口元を引き締めた。(川島 毅洋)

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2021年5月29日のニュース