東北大143キロ右腕は医師の卵 医学部5年生の福岡涼 頭脳的な投球で魅せた

[ 2021年5月29日 15:18 ]

仙台六大学野球・春季リーグ戦 第5節第1日   東北学院大8―1東北大 ( 2021年5月29日    東北福祉大野球場 )

東北大医学部医学科の5年生・福岡投手(撮影・柳内 遼平)
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 仙台六大学野球は春季リーグ戦第5節第1日が行われ、東北学院大が東北大に8―1で8回コールド勝ちした。東北大の最速143キロ右腕の福岡涼投手(5年・淡路三原)は7回から救援登板し、2回を2安打1失点にまとめた。

 医学部医学科の福岡は1メートル83の長身右腕。緩いカーブで130キロ台後半の直球を球速以上に速く見せる頭脳的な投球を披露し「変化球を思うように投げられるようになってきた」と胸を張った。

 リリーフ投手としてリーグ戦の登板を重ねるが、小さい頃から夢は1つだ。「患者さんの気持ちを理解できるお医者さんになりたい」。小学生のときに地元の兵庫県・淡路島の診療所で見た医師の仕事ぶりに「輝いて見えました」と憧れを抱いた。

 小、中学校では野球をプレ―したが、高校では部活動に所属せず、受験勉強に励み、東北大の現役合格を勝ち取った。大学生活を送る中で「野球をしている友達を見て楽しそうだなと思った」と再び情熱が燃え上がった。硬式野球部の門を叩いたのは3年夏だった。

 6年制の医学部。実習の隙間時間で野球の練習を行い、昨年秋には143キロを計測するなど成長を見せた。来年に国家試験を控えるため「今年の秋が終わったら勉強を全力で頑張ろうと思います」とゴールラインを決めている。

 「こっちに来てから淡路のタマネギの美味さに気づきました」と笑う23歳。「将来的に(医師として)淡路に戻ることができれば」。澄んだ東北の空の下、笑顔を輝かせた。(柳内 遼平)

 ◇福岡 涼(ふくおか・りょう)1997年11月27日生まれ、兵庫県出身の23歳。小3で野球を始め、御原中では軟式野球部に所属。高校では部活動に所属せず。東北大では3年夏に野球部入部。球種は直球、カーブ、フォーク。1メートル83、83キロ。右投げ左打ち。

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