巨人・原監督“足攻”で快勝 交流戦初戦から打倒パ采配、今季最多タイ3盗塁で“かくRUN”

[ 2021年5月26日 05:30 ]

交流戦   巨人9ー4楽天 ( 2021年5月25日    東京D )

<巨・楽>初回2死一塁、二盗を決める吉川。右は浅村 (撮影・光山 貴大)
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 走らせ、動かし、機先を制した。打倒パの並々ならぬ思いを「足攻」に込め、ベンチでは感情もあらわに。巨人・原監督が交流戦攻略へ機動力を駆使した。

 「交流戦を昨年はできなかった。新鮮(さ)の中で、お互いが激突する。楽しみの中に厳しさ(があり)、そして勝負する」。言葉の中にある「新鮮」が、今季最多タイのチーム3盗塁という数字以上に見て取れた。

 盗塁は初回から仕掛け、2回は1死一、二塁でプロ入りから55打席無安打だった戸郷がバスター。プロ初安打し、二塁走者が本塁憤死すると原監督は手を叩いて悔しがった。一挙4点で突き放した7回は主砲のスモークの打席でエンドランを仕掛け、直後に代走・湯浅が二盗を決めた。

 指揮官は「たまたまだとは思いますが」と戦略を伏せたが、背景に明確な利点がある。

 1つは、試合前時点のセとパの総盗塁数の違い。セ・リーグは6球団計140で、パは計178と38も開きがあった。裏を返せば、足を使いやすい状況にある。さらに相手捕手の下妻は盗塁阻止率・200と低い。足を使って崩しにかかる攻略法は、有効と言える。

 2つ目は、主力の相次ぐ故障。坂本が右手親指骨折で離脱し、試合前には梶谷が左太腿裏の異常で出場選手登録を抹消された。パワーに秀でたパ球団を相手にスピードでかき回す。梶谷の代役1番で松原を約1カ月ぶり先発起用。「水を得た魚のごとく」と評したように、3安打して塁上でかく乱し、次塁を狙った。松原は「何とか穴埋めできればと思った。試合前までは凄く緊張した」と笑った。

 坂本の離脱後にスタメンを張る吉川は2盗塁し、遊撃の代役である若林とともに機動力でプレッシャーをかけた。「今日のように打撃陣が相手の投手を打ち崩してくれればいい」と原監督。計17安打した打線だけでなく、走者を相手投手と戦わせていた。(神田 佑)

 ▼巨人・吉川(自己最多タイの4安打)少しでも貢献できたことは良かった。(坂本)勇人さんがいなくなってチームも厳しい。何とか全員でカバーしていければ。

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