専大2部V逃す エース・菊地吏玖が2日連続完投も9回押し出し死球で涙「心の揺れがあったと思う」

[ 2021年5月26日 19:13 ]

東都大学野球2部・最終週最終日   日大4―4専大 ( 2021年5月26日    等々力 )

2日連続で完投負けした菊地
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 勝てば2部優勝が決まる大一番。1点リードの9回裏のマウンドに、専大のエース・菊地吏玖(3年・札幌大谷)が上がった。

 先頭打者から空振り三振を奪った。だが、四球、中前打、四球で1死満塁。2番・野村昇太郎(2年・二松学舎大付)に対し、フルカウントから投じた6球目が、押し出し死球に。同点となった瞬間、優勝の可能性が消滅した。

 目標がなくなったマウンド…。それでも試合は続く。菊地はその後も内野ゴロ2つでアウトを奪い、最後まで投げきった。引き分けた瞬間、涙をこらえられなかった。

 「8回までとは何か違った感覚。先頭を抑えて、ホッとしてしまった。心の揺れがあったと思う。自分が踏ん張り切れなくて、勝ちきれなかった。申し訳ない」

 誰もエースを責めることはない。前日の1回戦では9回119球を投げ1失点完投負け。2日連続で先発し、9安打4失点も自己最速を2キロ更新する150キロも計測。159球を投げ抜いた。今春は7試合で4完投、リーグトップの50イニングを投げた。斎藤正直監督は「菊地にかけました。大したものです。大きな投手になってほしい。お互いにいい試合だった」とねぎらった。

 「どんな場面でも隙を与えない投手を目指して明日から練習する。秋こそ1部昇格を目指していきたい」と菊地吏。涙は乾いていた。

 サヨナラ負けだけは許さず、最後の2アウトを意地で奪った。この経験を、秋に必ず生かす。(川島 毅洋)

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2021年5月26日のニュース