エースの自覚と責任 日本ハム・上沢が変化球勝負で粘り勝ち 全球種投げてヤクルト打線を幻惑

[ 2021年5月26日 05:30 ]

交流戦   日本ハム4-2ヤクルト ( 2021年5月25日    神宮 )

<ヤ・日>笑顔でダブルピースの上沢(撮影・小海途 良幹)
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 とにかく全ての球種を投げた。何とか抑えようと。日本ハム・上沢は苦しみながら、必死に97球を投じた。エースの自覚と責任感がそこにあった。

 「ここまで直球が悪いのは今季初めて。どうしようかと思いながら投げていた」

 投げ慣れない神宮球場。マウンドの傾斜が合わず、思うようにボールが行かない。それでも抑えた。「(打者の)左右かかわらず全部の球種を投げた。(打者が)“何が来るか分からない”と思うくらいに」。走らない直球を少なめにスライダー、ツーシーム、カットボール、フォークにカーブにチェンジアップまで。上沢だからできる投球だった。

 2―0の3回2死満塁。4番・村上に内角スライダーでストライクを取り、2球目は外角低めのフォークで二ゴロに仕留めた。狙い球もコースも絞らせない。5回に3球続けた直球を塩見に左翼席へ運ばれたが、失投はそれだけ。6回3安打1失点にまとめて自身4連勝となる今季4勝目を挙げた。

 「状態が悪い時にしっかり投げ切ってくれる。それは信頼の裏返し」。栗山監督はそう言った。交流戦の初戦に、あえて中8日で上沢を起用した理由はそこにある。チームは最下位。浮上へは交流戦でどれだけ借金を返せるか。「交流戦明けに上位にいられるように」。上沢の言葉にエースの貫禄があった。

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