ロッテ・鳥谷 甲子園611日ぶり安打で逆転勝利呼んだ「甲子園のファンの前で打つことができてよかった」

[ 2021年5月26日 05:30 ]

交流戦    ロッテ5ー3阪神 ( 2021年5月25日    甲子園 )

<神・ロ>7回1死、一、二塁、代打で登場し右前適時打を放つ鳥谷(撮影・後藤 大輝)
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 「日本生命セ・パ交流戦」が25日、各地で5試合が行われて開幕した。昨季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、2年ぶりの開催。ロッテは鳥谷敬内野手(39)が阪神戦で1―3の7回、反撃の右前適時打を放ち、逆転勝利に貢献した。19年まで16年間所属した古巣相手との初対戦で、交流戦最多出場、最多安打を誇るベテランが輝いた。

 代打がコールされた瞬間、4万人の大歓声に負けない拍手が起こった。敵も味方もない。1―3の7回1死一、二塁、鳥谷は西勇の3球目のチェンジアップを捉え右前適時打。かつての「虎の背番号1」が一塁に達すると、スタンディングオベーションが送られた。

 「久しぶりの甲子園で、甲子園のファンの前で打つことができてよかった」

 自身の持つ交流戦の歴代最多出場を「339」、最多安打を「332」に更新。甲子園での安打は阪神時代の19年9月22日・DeNA戦以来611日ぶりだった。コロナ下で7086人と寂しいスタンドが、満席のような熱気に包まれた。

 鳥谷の今季初打点が空気を変え、8回に逆転。阪神の6回終了時にリードしていた試合での連勝を21で止めた。「(代打は)1点でも欲しい場面だったのでよかった」と振り返ったベテランの仕事に、井口監督も「本人としてもいい一本だったんじゃないかな」と感謝した。

 19年オフに事実上の戦力外通告で16年在籍した阪神を退団し、翌年の開幕を控えた3月にロッテ移籍。2年ぶりの凱旋となったこの日の試合前、鳥谷はチームの練習時間より1時間半以上も早い、午後2時すぎにグラウンドに現れた。阪神ベンチ前で矢野監督、梅野、大山、近本らと次々に笑顔であいさつ。「一緒にやった仲間なんで」と旧交を温めた。

 元同僚も粋な演出。梅野が2回登場曲で流したのは普段使用するBigfumiの「Life」ではなく、Redfooの「Let’s Get Ridiculous」。鳥谷の阪神時代の登場曲だった。

 昨年12月、18年目を迎える契約更改の席で「プロに入った時に40歳でショートを守りたいと思っていた」と言った鳥谷。6月26日に40歳を迎えるが、余分な糖分を取らない肉体はプロ入り当時と変わらない。自分に厳しい姿勢の積み重ねである2098本目の安打を、新旧のチームメートに見せた。(君島 圭介)

 ≪交流戦出場&安打最多記録更新≫鳥谷(ロ)が阪神戦に代打で初出場し適時打。交流戦の出場数は339、安打は332となり、自身が持つ両部門の交流戦歴代最多記録を更新。交流戦初年度の05年から今季までの16シーズン連続出場(昨季は中止)は内川(ヤ)と2人だけ。

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2021年5月26日のニュース