牛島和彦氏 楽天・早川は制球と腕の振りが抜群 ここぞで出力を増すギアチェンジの技術

[ 2021年3月28日 16:41 ]

パ・リーグ   楽天5ー0日本ハム ( 2021年3月28日    楽天生命パーク )

<楽・日(3)>プロ初勝利を挙げた早川 (撮影・白鳥 佳樹)
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 楽天のドラフト1位・早川隆久投手(22)が先発でプロデビューし、6回を4安打無失点で初勝利を挙げた。104球を投げ、8三振2四球。最速は148キロだった。スポニチ本紙評論家の牛島和彦氏(59)が早川のデビュー戦での投球を分析した。

 タフなコンディションでの登板だったが、早川はポテンシャルの高さをみせつけてくれた。オープン戦では白星がないまま、プロの公式戦初登板、本拠地での開幕カード、そして雨。体力的にも、精神的にも負荷のかかるデビュー戦だったが、見事な投球だった。

 初回先頭の西川を147キロ直球で空振り三振。2回先頭の中田は137キロチェンジアップで空振り三振。この2つの三振での決め球がいいコンビネーションとなっていた。チェンジアップはよく抜けていて、腕の振りがいいから効果的だった。

 4回と6回に招いた満塁のピンチにも冷静に映った。表情を変えずに淡々と、そこがいい。併殺か三振のどちらかが欲しい場面で、注文通りの投球。ピンチでも低めに変化球を決められる能力があるから、狙い通りの結果につながった。

 一つ気になったのはピンチをつくった時に変化球が増えること。もう少し見せ球としてでもいいので、直球を混ぜていった方がいい。チェンジアップが挟んだものと、わしづかみのもので握りを変えて2種類。カットボールとスライダーも空振りが奪える。これだけ質の高い変化球が豊富なだけに使いたくなるのも理解できるが、直球の生かし方、直球を使った変化球の生かし方が加わればより幅が広がる。

 直球は序盤は140キロ台後半が出ていたが、中盤以降に球速帯140キロ程度に落ちても打者は振り遅れていた。球速だけでない手元の速さを感じた。また終盤もここぞという場面では144、145キロで空振りを奪っていた。ギアチェンジできる技術ものぞかせた。

 抜群のコントロールと、直球と変化球を支える腕の振り。この2つの軸がぶれない限り、相当な勝ち星が期待できると思う。

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2021年3月28日のニュース