秘密兵器で目指す「3割30本塁打100打点」 オリ吉田はバレルバットで原点回帰

[ 2021年2月3日 05:30 ]

「バレルバット」でティー打撃するオリックス・吉田正尚(撮影・井垣 忠夫)
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 オリックスに、またも新型兵器が登場した。山本のハンマー投げの器具に続き、吉田正が「バレルバット」を導入したことが判明。長打になりやすい打球速度と打球角度を組み合わせた「バレルゾーン」を探り、本塁打量産を思い描いた。

 「インサイドから入ってくるし、ヘッドがラインに入ってきて、打球が上がる形状になっている。3割30本100打点は、いい打者のラインというか、そこを越えないとタイトル争いはできないので」

 バレルバットは、グリップと芯との中間付近に円柱のような膨らみがあり、打球に角度を付けるためのスイング矯正などに効果があるとされる。昨季終了後に訪問した愛知県内にあるアンダーアーマー社のバット工場で特別にオーダーした。

 昨季はイチローを抜く24試合連続安打を記録するなど打率・350でパ・リーグ首位打者のタイトルを獲得。ただ「当てに行く形、小手先の打撃。その場しのぎになってしまっていた。引き出しとしてはいいのかもしれないけど」と14本塁打に納得できなかった。「自分で使ってみて、どうなるか。試しに使ってみて」。新たな武器で本来のスタイルを取り戻す構えだ。

 トップの位置を微調整するなど打撃フォームの改良にも着手。「大きくトップをつくって振り出していこうと。本来の形として振っていくとしては、このキャンプで形を大きく使えるように。(下半身も)ゆったり股関節の左に乗せて、パワーを伝えていく」。打率3割、30本塁打、100打点は球団では08年カブレラが最後。21年の吉田正は昨季以上に怖い存在になるはずだ。 (湯澤 涼)

 ○…オリックスで同一シーズンに「打率3割、30本塁打、100打点」を達成したのは長池徳二(69、71、73年)、加藤英司(79年)、ブーマー(84~87、89年)、カブレラ(08年)の4人で10度。左打者は加藤だけで、吉田正が球団42年ぶりの記録に挑む。

 ▽バレルバット 通常の木製バットと同じ形に近いが、グリップ部分と芯との中間付近に、縦約20センチ、直径約10センチほどの円柱のようなふくらみがある。重さは約1キロで、ティー打撃時に使用する。基本的にはスイングの修正などが目的。

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2021年2月3日のニュース