出た!145メートル弾 阪神・佐藤輝が放った規格外の一撃にも、矢野監督は「普通やで」

[ 2021年2月3日 05:30 ]

ティー打撃中に笑顔が浮かぶ阪神・佐藤輝(撮影・坂田 高浩)
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 これが新人なのか――。阪神ドラフト1位の佐藤輝(近大)がフリー打撃でバックスクリーンを越える驚異の145メートル弾を放った。

 「風ですね。(手応えは)まあ良かったです」

 風に乗ったとはいえ、並大抵の打者では描けない放物線だった。フリー打撃最後の120スイング目に放たれた打球は、ボールがつぶれたかのような破壊音とともに高々と舞い上がり、中堅後方にあるスコアボードの頂点部に着弾。そのまま奥へと消えていった。

 周囲から見れば衝撃的な一発だが、目撃した矢野監督は、さも当然のような反応を示した。「普通やで。俺は(あそこに)一回も当てたことないけど。このフォローの風であいつの打球の高さが出れば、あそこまで飛ぶよな。一番わかりやすいじゃん、遠くに飛ぶって。それがあいつの一番の魅力」。

 この日のフリー打撃では初日の9本(89スイング中)を超える25本の柵越え。うち逆方向の左方向に8本を運んだ。節分の日に合わしたわけではないが「外は鬼」といわんばかりで、本拠となる甲子園の浜風と“友達”になれることも示した。

 居残り特打でも191スイングで5連続を含む34発。計59本の柵越えと面白いように打球を飛ばしたが「いくら飛ばしても試合で打てないと意味がない。確率を上げていけるように頑張りたいと思います」と足元を見つめる。

 近大の大先輩である糸井から「同じ生駒で育った野人」と称されたことを伝えられると、苦笑いを浮かべながら「野人になれるように頑張ります」とプロとして先輩との争いにも一歩も引かない構えを示した。まだ実戦出場もしてないが「超人超え」を期待させる輝きを放っている。
 (阪井 日向)

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