広島・クロンが「誠也塾」に入門 日本の主砲に異国の野球を質問攻め

[ 2021年2月3日 05:30 ]

クロン(左)からバットを受け取る鈴木誠

 広島の新外国人、ケビン・クロン内野手(27=ダイヤモンドバックス)が2日、打撃技術習得に向け「誠也塾」に入門した。特打で鈴木誠と同組になったことを好機に質問攻めにするなど密着マーク。タイミングの取り方など打撃談議に花を咲かせ、日本で成功するすべを学んだ。

 言動からクロンの勤勉さが伝わる。突然の大雨により、室内練習場に場所を移したランチ特打。キャンプ初日は全体の打撃練習に参加していた鈴木誠が合流したのと同時に授業が始まった。

 クロンがティー打撃の合間に左足を上げる動作を繰り返して、タイミングの取り方を質問。計30分間行われた2人1組のフリー打撃では打席から何度も話しかけ、休憩中は鈴木誠のスイングを観察した。通訳を介した打撃談議は時間が許す限り、続いた。

 「リーグでトップの選手がチームにいるので、勉強するこれ以上ないチャンス。話をしたり、打撃を見ること自体が勉強になる。特に彼のバランス、体の使いは参考になる」

 特に熱心に聞いたのは、鈴木誠の持つ「間合い」だった。「タイミングが遅れると振りにいけない。最も重要視するのは、下半身でタイミングを取ること。彼は非常に下半身の使い方がうまい。間合いの取り方を見ながら、自分に取り入れていきたい」。キャンプイン早々に伝わる研究熱心な姿勢は、今後も変わらないだろう。

 「誠也が本塁打を打てる打者なら、彼に投手の攻め方を聞けば自分のプラスになる。会話をすれば、必ずヒントが落ちていると思っていろいろ聞いてみようと思っている」

 助言した鈴木誠は「日本に一人で来ているわけですから。難しいと思うし、ストレスとかもあると思う。少しでも(サポート)できたらいい」と思いやった。自身もクロンに逆質問して「日米主砲会談」となったように、両者の信頼関係は早くも深まっている。

 そんな2人の光景に、佐々岡監督は「日本で成功するためには、いろんな選手から聞くというのも必要だと思う。カントリー(エルドレッド)もやっていただろうしね」と振り返った。指揮官の目には、クロンが球団屈指の優良助っ人に重なって見えた。 (河合 洋介)

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