巨人、地獄ノック60分 79年秋「伊東キャンプ」ほうふつ厳しさに岡本和「うまくはいかんな」

[ 2021年2月2日 05:30 ]

ユニホームを汚しながらノックを受ける巨人・岡本和(撮影・森沢裕)
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 巨人の宮崎1軍キャンプに参加する全投手と野手の計22人が4組に分かれ、内野3カ所と外野の守備に就く。これが「地獄」の始まりだ。15分ずつ4カ所を回り、計1時間ぶっ続けのノック。選手からは悲鳴が上がった。

 昨季2冠王の岡本和でも特別扱いなし。初日の午前中からユニホームが泥だらけとなり「途中まで汚れてないなと思ったけど、うまくはいかんなと」と振り返った。過酷なメニューは3日連続で行う予定。開幕2カ月前の春に79年秋の「地獄の伊東キャンプ」をほうふつさせる厳しさだ。

 主力やベテランで構成された「S班」が東京ドームで調整するため実現した全選手が参加した異例のメニュー。原監督も「俺ならとてもじゃないが初日にやらない」と笑う。捕球ミスで3球のペナルティーが追加される。投手で体力のある畠からも「勘弁してください…」と声が漏れた。

 野手と投手が刺激し合い、全体に相乗効果を生んだ。ノック直後、手のひらの皮膚の炎症を訴えた田口以外の全投手がブルペン入り。今キャンプで投手主将の桜井は201球も投じた。打者はフリー打撃でマウンドの3メートル前方から投じられる強い球を打ち、ロングティーも敢行。球場の電光掲示には「打て!打て!ひたすら打て!」の文字が浮かんだ。

 宮崎で野手主将を務める岡本和も「(主将の)坂本さんだけに負担をかけるわけにいかない」と鼻息は荒い。日本一奪回へ、一切の妥協は許さない。地獄のノックは原監督ら首脳陣の意思表示でもある。(神田 佑)

 ▽地獄の伊東キャンプ シーズン5位で終えた79年オフ、長嶋監督が静岡・伊東に若手精鋭を集め43年ぶりの秋季キャンプを敢行。投手には1日平均10キロの走り込み、野手には1日1000スイング以上の打撃練習を課すなど、毎日約7時間、25日間行われた。「次代のリーダーをつくることが最大の目的」とした長嶋監督は自らノックで鍛え上げ、中畑、江川らが主力へと成長を果たした。

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2021年2月2日のニュース