ロッテ・沢村 海外FA権行使へ 移籍先候補にメッツ浮上 代理人はイチロー氏ら担当したボッグス氏

[ 2020年12月1日 05:30 ]

ZOZOマリンスタジアムで報道陣に対応するロッテ・沢村
Photo By 代表撮影

 ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、本拠ZOZOマリンを訪れ、今季取得条件を満たした海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。剛腕リリーバーの移籍先候補の一つとして、資産家のスティーブ・コーエン新オーナー(64)が就任したメッツが浮上。投手補強に巨額の資金を投じる方針で、沢村の争奪戦への参戦だけでなく、複数の日本人投手獲得に動く可能性もある。

 腹は決まった。球団にFAの申請書類を提出した沢村が、プロ入り前から抱いたメジャーへの思いを語った。

 「最高峰の舞台。世界中の優れた選手が集まるという認識の中から憧れももちろんあるし、夢もある。そういった意味で権利を行使させてもらうことになりました」

 既に代理人はイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)、平野(マ軍からFA)らを担当するジョン・ボッグス氏に決定。「日米42球団と交渉が可能となりました。自分を一番必要としてくれている球団で腕を振りたいなという気持ちです」。ロッテ残留も含め、現時点では横一線を強調したが、メジャー挑戦を軸に移籍先を探っていくとみられる。

 移籍先候補として、にわかに浮上してきたのがメッツだ。このオフに資産146億ドル(約1兆5184億円)の投資家スティーブ・コーエン氏が新オーナーに就任。他球団と桁違いの資金を持つ同氏は、16年以来5年ぶりのポストシーズン進出へ向け「並のチームをつくるために球団を買ったのではない」、「ニューヨークのチームらしくお金を使う。3~5年の間にワールドシリーズを制することができなければ、少しがっかりする」と常勝軍団形成へ意気込む。

 沢村の160キロに迫る直球と150キロ超のスプリットはメジャーでも希少価値が高い。メ軍最大の補強ポイントは先発、救援を含めた投手で、歴代最多13人の日本選手が所属するなど縁も深い。ポスティングシステム申請手続きを行った日本ハム・有原との「日本投手ダブル獲り」の可能性もありそうだ。

 この日、ZOZOマリンでトレーニングも行った右腕は、移籍交渉成立について「年が明けることもあると思う」と越年も覚悟。「僕の野球人生なのでしっかりと考えたい。悔いのない選択をしたい」と力を込めた。

 ▽ニューヨーク・メッツ 1962年創設。リーグ優勝5回、ワールドシリーズ制覇2度。ルイス・ロハス監督は来季が就任2年目で、今季はナ・リーグ東地区4位。本拠は09年完成のシティ・フィールド(天然芝、4万1922人収容)。日本選手は97年の柏田貴史を皮切りに吉井理人、野茂英雄、新庄剛志、小宮山悟、松井稼頭央、石井一久、高津臣吾、高橋建、五十嵐亮太、高橋尚成、松坂大輔、青木宣親の計13人がプレーしている。

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日生まれ、栃木県栃木市出身の32歳。佐野日大から中大を経て、10年ドラフト1位で巨人入団。プロ1年目の11年にセ・リーグでは44年ぶりとなる新人での200投球回到達。11勝(5完投)、防御率2.03の好成績で新人王に輝いた。16年にセーブ王を獲得。今年9月7日に交換トレードでロッテ移籍。13年WBC日本代表。1メートル84、102キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月1日のニュース