来季32年ぶり6人が投手出身監督 森繁和氏がメリットとデメリット語る

[ 2020年12月1日 05:30 ]

(左から)楽天の石井新監督、今季までDeNAで2軍の指揮を執っていた三浦監督
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 日本一監督に続け!来季のプロ野球は、新たに就任した楽天・石井一久監督(47)、DeNA・三浦大輔監督(46)を含め、投手出身の監督が12球団の半分を占める6人となる。1989年以来32年ぶりで、4年連続の日本一に輝いたソフトバンク・工藤公康監督(57)を成功例とし、投手出身で前中日監督の本紙評論家・森繁和氏(66)がメリットとデメリットを挙げた。(企画・構成 鈴木 勝巳)

 チームの選手数の半分は投手。試合においても投手の占める割合は高い。投手出身の監督ならば、采配で最も大事な部分の一つである投手交代、継投で自身の経験を生かすことができる。日本シリーズ第3戦では、工藤監督が無安打投球のムーアを7回で交代させた。「少し球がシュート回転していた」とコメントしたが、そういった投手の状態把握にたけているのが投手出身の監督の利点だろう。

 キャンプなどでも、投手出身の監督は頻繁にブルペンに足を運ぶ。投手の成長度合いを自分の目で見極められる。メニューを決めて自ら指導することも可能だ。これも大きな利点の一つだが、同時に難しい問題も出てくる。チームには投手コーチがいるので、両者でバランスを取ることが不可欠。監督があまりにも口を出してしまうと、投手コーチが嫌がるケースもある。どこまで自分が見て、どこまでを任せるか。普段からコミュニケーションを取り、お互いの野球に対する考え方を共有することが大切だ。

 これは野手のコーチとの間では、もっと重要になってくる。攻撃面に関しては投手出身の監督はオーダーの組み方や代打起用、さらに守備、走塁…など分からないことが数多い。ヘッドコーチ、打撃コーチらに信頼できる「参謀」を置くことが必要になる。石井新監督の場合は、真喜志ヘッドコーチだろうか。DeNAは青山ヘッドら、今季までのチーム状況を把握したコーチが多く残った。最後に決めるのは監督。そこまでの過程で、コーチ陣といかに意思の疎通ができるかが最終的に監督の「力量」となる。

 私自身、落合監督の下で中日の投手、ヘッドコーチを務めていた際は、投手部門に関しては全て任せてもらっていた。これがバランス。私自身が監督になってからは、攻撃面では打撃コーチの土井(正博)さんらと「どうします?」「俺はこっちの方がいい」などとコミュニケーションを取っていた。4年連続日本一の工藤監督も、打撃部門はコーチに任せるなど連携は密な印象だ。首脳陣の一体感。これをつくり出すのは投手出身でも野手出身でも関係なく、監督の大きな仕事となる。(本紙評論家)

 ○…来季は新たに就任する三浦(D)、石井(楽)両監督も含め、投手出身監督が両リーグ合わせて6人。現役時代に投手を務めた監督が同一シーズンに6人もそろうのは、1989年に藤田元司監督(巨)、星野仙一監督(中)、関根潤三監督(ヤ)、村山実監督(神)、杉浦忠監督(南)、近藤貞雄監督(日)が指揮して以来32年ぶりになる。なお、同年は藤田監督率いる巨人が近鉄(仰木彬監督=内野手出身)を4勝3敗で倒し、日本一に輝いている。また、両リーグともに投手出身監督が優勝して日本シリーズで対決したのは、98年に権藤博監督の横浜(4勝2敗で日本一)と東尾修監督の西武が戦ったのが最後だが、来季はどうか。

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