カブスのミルズが珍しいノーヒッター 空振りは5回のみ 被ジャストミートは11回

[ 2020年9月14日 09:40 ]

ノーヒット・ノーランを達成したカブスのミルズと祝福するチームメート(AP)
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 カブスの右腕アレク・ミルズ投手(28=193センチ、86キロ)が13日、敵地ミルウォーキーで行われたブルワーズ戦でノーヒット・ノーランを達成した。今季のメジャーでは、ホワイトソックスのルーカス・ジオリト(26=8月25日のパイレーツ戦)に続いて2人目。ミルズは3四球を出しただけで5三振を奪い、114球(ストライクは74球)で投げ切った。試合は12―0の大勝。チームトップの7勝をマークしているダルビッシュ有(34)に次ぐ5勝目(3敗)を挙げた。

 カブスの投手によるノーヒット・ノーランは2016年のジェイク・アリエタ(34=現フィリーズ)以来、4年ぶり16回目。「驚き以外の何ものでもない。心臓の鼓動は決して遅くないよ、としか言いようがない。予想もしていなかったことなので自分でもどう喜んでいいのかがわからない」と本人は言葉を探すのに苦労していたが、過去の快挙と比べると“まさか”の連続だった。

 ミルズにとってこの日はメジャー4季目で15回目の先発だったが、114球は自己最多。確かに得意のカーブは良かったものの、空振りはたった5回しか奪っていなかった。これは1人で無安打無得点に抑えたケースとしては、2010年に完全試合を達成したアスレチックスのダラス・ブレイデン(対レイズ)と並んでここ30年間では最少数。しかもスポーツ専門局のESPNによれば相手打者に「ジャストミート」でとらえられた打球は11回もあり(うち外野への飛球は5回)、それがことごとくアウトになるという幸運にも恵まれた。被安打なしの被ジャストミート11回は、データ専門会社「スタットキャスト」が2015年に調査を開始して以来のタイ記録。数あるノーヒット・ノーランの中でも限りなく奇跡に近い内容だった。

 そもそもミルズはテネシー大マーティン校にスポーツの奨学金を得て入学したエリートではなく自主入学組。2012年のドラフトの22巡目にロイヤルズに指名されたがメジャーでの出場は16年の3試合のみで、17年にトレードでカブスに移籍してきた。

 メジャー初勝利は昨年9月16日のレッズ戦。カブスの3番手として登板し、2回を無失点に抑えてメジャー3季目でようやく白星をものにした遅咲きの右腕だった。

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