阪神・桑原 513日ぶり1軍登板で誠也斬り 「走者いる場面で抑えることできて良かった」

[ 2020年9月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7―6広島 ( 2020年9月13日    甲子園 )

<神・広(17)>阪神4番手の桑原(撮影・北條 貴史)
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 みんなが待っていた。阪神・桑原が、昨年4月19日の巨人戦以来、513日ぶりの1軍登板。故障との長い苦闘を経て甲子園のマウンドに再びたどり着いた。

 「久しぶりの登板でしたが、走者のいる場面で使っていただき抑えることができて良かったです」

 その名がコールされるとスタンドは沸いた。“おかえり”のエールに背中を押され向かったマウンドは決して、易しいものではなかった。1点劣勢の6回1死一塁。1球も気を抜けない場面でも、13年目の右腕はくぐり抜けてきた修羅場の数が違う。堂林を三邪飛、鈴木誠は空振り三振。全盛期を支えた“宝刀”スライダーで4番を斬った。

 「少しは期待に応えられたかなと思います」。控えめな言葉に人柄がにじむ。「もう一度、あそこで投げられるように…」。その思いだけで、つらく険しい道を歩いてきた。昨年4月の降格からつきまとう右肘の痛み。手術の選択肢もあった中で「もう付き合っていくしかない」。年齢を考えても、メスを入れるリスクは大きかった。

 痛みが消えたと思えば、次の日には鈍痛が走る。「付き合っていく」とはそういうことだった。心が折れかけたことは一度や二度でない。それでも、腕を振れたのは、戻らなければいけない“場所”があったからだ。

 17年から2年連続60試合登板の男が信じ続けた道は、この日、確かに聖地につながっていた。戻ってきただけでは終われない。こん身の7球は逆襲の咆哮(ほうこう)だ。桑原謙太朗はまだ終わらない。 (遠藤 礼)

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