大谷 曲芸1号!まるでゴルファー…地面から36.8センチの変化球をスタンドへ

[ 2020年7月31日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス7―10マリナーズ ( 2020年7月29日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>4回無死一、二塁から今季初アーチとなる右中間逆転3ランを放つエンゼルス・大谷翔平
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が29日(日本時間30日)、マリナーズ戦に今季初めて「4番・DH」で出場し、4回に昨年9月11日のインディアンス戦以来、322日ぶりとなる今季初アーチ。試合には敗れたが、地面からの高さわずか1・21フィート(約36・8センチ)の変化球をゴルフスイングのようにすくい上げる技ありの「ショット」を披露した。

 内角低めに沈むカーブ。見逃せば完全なボール球だ。大谷は踏み込んだ右足を突っ張って壁をつくり、頭を残したまますくい上げた。まるでゴルフのスイング。「上がった瞬間、行くなと思った」と確信した打球は右中間席に着弾した。

 0―1の4回無死一、二塁。初対決の右腕ダンにわずか2球で追い込まれた。「(カーブが)来る可能性はあるだろうなとは思っていたけど、あまり張っていなかった」と直球も変化球も頭に入れた中で自然に体が反応。打者出場4試合目の今季初アーチは逆転3ランとなった。0ボール2ストライクという圧倒的不利なカウントからの本塁打はメジャー3年目で初。「ああいうボール球を打てるというのもあるだけで、また配球も変わると思う」と手応えを語った。

 大谷が打った球は地面からの高さがわずか1・21フィート(約36・8センチ)。PGAツアー通算12勝で「飛ばし屋」として知られる同じ左打ちのバッバ・ワトソンばりの豪快ショットだった。大谷はゴルフは右打ちでスコアは100を切る腕前。メジャー1年目だった18年のキャンプ前には投手陣とラウンドし、センスの高さで周囲を驚かせた。この日の練習前のアップではサッカーボールで華麗なリフティングも披露。「ボール球でも打てるのがいいとは思っていない。見逃すべきだし、甘い球をしっかり打つのが理想的」と振り返るが、他競技でも一流になれたであろう高い身体能力と器用さが技ありの一撃を生んだ。

 救援陣が大量失点で大谷が3打点以上を挙げた試合は14度目で初黒星。それでも開幕から中軸を任されている男の復調は何よりの収穫だ。ジョー・マドン監督も「(打撃フォームの)バランスが良くなって手が残っている。よりうまく手が使えている」と分析した。

 この日は本塁打以外の4打席は凡退。本塁打の打席についても「ああいう球を打つべき」と直前に投じられた2球目の真ん中のカーブを見逃したことを反省した。30日(同31日)の同戦も打者で出場予定。1死も取れなかった今季初登板の汚名返上の機会となる8月2日(同3日)のアストロズ戦に向け、さらにバットで弾みをつける。

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