ロッテ、オリックスに“史上初”6連勝!見どころ満載パ同一カード6連戦を担当記者が検証
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新型コロナウイルスの感染防止の観点で移動を少なくするために生まれたパ・リーグの同一カード6連戦。最初のカード(今月23~28日)では好調のロッテがオリックスから史上初の6連勝を飾るなど各球場で見どころ満載だった。特別なシーズンを象徴する変則日程は、30日から8月下旬まで8週続く。スポニチ本紙担当記者が今回の6連戦を検証し、今後の展望や課題も挙げた。
【ロッテ 積極走塁で接戦制す】異例の同一カード6連戦。これまでの3連戦以上にカード頭が重要だと言える。23日の第1戦を終えたロッテ・井口監督が心の底から絞り出した言葉は「絶対に初戦を取りたかった」。結果だけでなくテーマに掲げる「機動力」で勝利したことも大きな意味を持つ。
23日の初戦は4―5の9回にサヨナラ勝ち。相手の守護神ディクソンに対し、岡、和田の代走攻勢の波状攻撃を仕掛けた。無死一塁から代走・岡が初球で二盗に成功すると井上の適時打で同点。そして一塁走者に代走・和田が送られると盗塁を警戒する相手バッテリーの暴投を誘い、三塁まで進んだ。和田の快足を考えれば内野ゴロでも勝利をつかめる状況。この形をつくったことでディクソンは後続を四球、四球、押し出し死球と自滅した。
井口監督も「今年は終盤に足で追いつける」と手応えを語る。目指していた野球が確立され、ビハインドの展開でも最後まで諦めない。これが接戦を制す原動力となり、6連勝につながった。(ロッテ担当・横市 勇)
▼ロッテ井口監督 1週間、選手たちが頑張ってくれた。打線がしっかりつないでくれた。諦めないでつないでいる。いいスタートが切れた。
【オリックス 先発背信・救援に負担】史上初の6タテを食らった要因の一つが先発投手の背信だ。25日の第3戦はドラフト3位の村西は初回だけで5四球を与えるなど3回5失点で降板。翌日はエース山岡が左脇腹痛で3球で降板した。
この6連戦でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は第5戦の田嶋(6回2/3を1失点)だけ。救援陣の負担は増し、2度のサヨナラ負けにつながった。敗戦を重ねるごとにベンチの雰囲気も重くなり、相手は勢いづく。最終6戦目。球界を代表する投手となった山本も負の流れにのみ込まれ、5回2/3を5失点だった。
6連戦で計31失点を喫し開幕ローテーションを託した山岡、村西、K―鈴木が早くも抹消。わずか9試合で再編に追い込まれた投手陣の再整備が急務だ。(オリックス担当・湯澤 涼)
【楽天 虚をつく作戦が成功】楽天は6戦6盗塁と積極的な走塁が光った。4勝2敗で勝ち越したが、敗戦の中にも今後につながる大胆な作戦があった。第3戦。2点を追う3回2死一、三塁で、一走・茂木が二盗を仕掛けた。相手捕手が二塁へ送球動作に入ると、三走・銀次もすかざずスタート。ともにセーフとなり、鮮やかにダブルスチールを成功させた。
俊足ではない銀次の本盗への警戒心は薄かったはずで、相手の虚を突く見事なサインプレー。銀次は「今後につながる良い作戦だった」と語っていた。昨季のチーム盗塁数はリーグワーストタイの48。相手の心理を逆手にとった作戦はチームの「変化」を象徴。これまでにないイメージを、しかも6連戦中に相手に植え付けることは大きな意味を持つ。強い警戒はほころびを生むからだ。三木新監督は「どう頑張っても全部は勝てない。負け方というのも重要になる」と言葉に力を込める。カードを勝ち越したという事実に目が向きがちだが、価値ある敗戦も忘れてはいけない。(楽天担当・重光 晋太郎)
【日本ハム 4番へのつなぎ不調】好調の4番の前を打つ打者の好不調の差が明暗を分けた。カードを勝ち越した楽天の4番・浅村は6連戦中の打率が.417、3本塁打、11打点。一方の日本ハムの4番・中田は打率.217、4本塁打、6打点。本塁打の数こそ中田が上回ったが、4本中2本がソロ本塁打で2ランが2本。浅村は3本中2本が3ランでソロが1本だった。
ともに4番の勝負強さが光ったが、浅村の前を打つ1、2番の茂木と鈴木大がいずれも打率.391と好調だが、一方の日本ハムは1番・西川が.360と好調も大田が.115で近藤が.143。近藤は出塁率.308と四球を選んでつなぐ場面もあったが、大田は四球ゼロ。2、3番を徹底的に抑え込まれたことで得点力が上がらず、それが6連戦負け越しの一因となった。(日本ハム担当・東尾 洋樹)
【西武 低め配球でバレ封じ】辻監督の6連戦前の目標は5割。だから宿敵相手の4勝2敗は及第点だろう。好結果の裏には「バレンティン封じ」があった。
前半3試合で2本塁打、3打点を許し、安打と打点をマークされた24、25日は連敗を喫して1勝2敗。25日は本田が2被弾した。134キロのスライダーと138キロの直球。ともにベルトから上の高さの失投だった。迎えた後半3試合。緊張感が増したバッテリーは低めの配球を徹底した。結果は3試合で10打数無安打。4三振のうち3三振が外角低めだった。
目玉の新戦力である大砲に一発を浴びた2試合は全敗で、無安打に抑えた4試合は全勝。前半3試合の反省を後半3試合に生かし、カード勝ち越しを決めた。(西武担当・大木 穂高)
【ソフトバンク 山川の内角を攻めず】西武の主砲・山川に6試合で5本塁打を許したことが、2勝4敗と負け越した一因となった。4~6戦目に計4本塁打と、従来の3連戦では浴びずに済んだだけに、6連戦ならではの事象だった。
先発マスクは6試合とも甲斐がかぶったが、山川に対しては厳しい内角球が少なかったように見えた。5本塁打のうち、4発が外角球。内角を攻めていれば、打者は簡単に踏み込んでスイングできない。“体に近いところにボールが来るかもしれない”と思わせることが、内角を使う効果でもある。もちろん、甲斐の内角要求に対し投手が投げきれなかった打席もあったから、全てが捕手の責任ではない。バッテリーとして、もう一度、配球を見直すことが必要だろう。
乗せてはいけない打者はどのチームにもいる。特に長打を量産するタイプは徹底的に対策を練ることが求められる。6連戦を制すチームがパ・リーグを制す、と言っても過言ではないシーズン。西武との6試合で計38失点を喫した投手陣が、今後も続く6連戦をどう乗り切るか。(ソフトバンク担当・川島 毅洋)
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