変わらぬ温厚で気さくな「スンちゃん」、楽しみに待ちたい韓国率いての侍ジャパンとの対戦

[ 2019年11月21日 09:00 ]

<プレミア12決勝 日本・韓国>試合前、談笑する坂本勇(左)と李スンヨプ氏(撮影・木村 揚輔)
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 「韓国の英雄」に久しぶりに会った。ロッテや巨人など長く日本球界でもプレーし、日韓通算626本塁打を誇る李スンヨプさん(43)。現役時代、報道陣はなれなれしくも「スンちゃん」と呼んでいたが、温厚で気さくな人柄は少しも変わっていなかった。

 プレミア12の韓国戦の解説のために来日。侍ジャパンとの連戦となった16、17日は東京ドームを訪れ、かつてのチームメートらと旧交を温めた。07~10年にともに巨人のユニホームを着た坂本勇とは三塁ベンチ前であいさつ。「懐かしい。スーパースターになっちゃったなあ。僕がいた時よりさらにビッグになったよね」などと話し、笑顔で握手をした。

 その坂本勇は、韓国でもスーパースターだという。「本当にいい選手だし、韓国でも有名なんだ」。代表メンバーも、李スンヨプさんに「あいさつしたい」と仲介をお願いし、次々に選手がやってきて坂本勇と記念撮影。その姿をレジェンドは笑顔で見つめていた。

 忘れられないシーンがある。08年の北京五輪。李スンヨプさんは準決勝の日本戦、決勝のキューバ戦と2試合連続で決勝アーチを放った。韓国球界初の金メダル。当然のように大勢の韓国メディアに囲まれたが、その後にわざわざ日本メディアのもとに足を運んで取材の時間を作ってくれたのだ。流ちょうな日本語。言葉の端々から喜びが伝わってくる。「スンちゃん」はその当時からまるで変わらない。

 現在は解説者のかたわら、子どもの野球振興のための財団を設立。KBO(韓国野球委員会)の広報、技術委員を務め、代表メンバーの選考にもあたるという。近い将来、きっと指導者としてユニホームを着ることもあるだろう。韓国代表の監督となって、侍ジャパンと対戦――。そんな未来を楽しみにしている。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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