慶大 19年ぶりV 退任の大久保監督は涙「最高のギフト」

[ 2019年11月21日 05:30 ]

明治神宮野球大会 大学の部決勝   慶大8―0関大 ( 2019年11月20日    神宮 )

優勝を決め涙を浮かべる慶大・大久保秀昭監督 (撮影・西川祐介)
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 最高の花道だ。大学の部決勝が行われ、慶大(東京六大学)が関大(関西5連盟第1)に8―0で快勝し、19年ぶり4度目の優勝を果たした。今季限りで退任する大久保秀昭監督(50)のラストゲームを飾った。中日からドラフト4位指名された4番で主将の郡司裕也捕手(4年)が先制2ランを放つなど4打点。指揮官の秘蔵っ子がリードでもエース高橋佑樹投手(4年)を完封に導く活躍を見せた。

 決戦を終え、選手から学生服姿のスタッフらまで一人一人と握手を交わした大久保監督の目は、しばらく真っ赤なままだった。関大を完封して秋日本一。有終の美を飾り、5回胴上げされた。優勝インタビューで思い出を聞かれると「これ以上泣かさないで」。声は終始、震えていた。

 「最高のギフトを頂いた。感謝しかありません」

 14年オフに母校・慶大の監督に就任。近鉄などでプレーした元プロ選手だが、歴代選手は「上から目線みたいなものは一切なく、相談すれば“自分はどうしたいんだ?”と自主性を重んじてくれた。お父さんみたいな存在」と口をそろえる。朝5時台から、誰よりも遅くまでグラウンドに立ち続けた。「今年は春(のリーグ戦で)優勝を逃したが、秋に向けて誰も妥協しなかった。ラストシーズンの4年生がサポートに徹すると言ってくれたり、熱量が下がらなかった」。早慶戦後もオフは1日だけだった。

 けん引したのが主将の郡司だ。自身と同じポジションで1年秋から正捕手に起用。「僕が現役の頃より数段練習して、どんどん体が大きくなった。郡司を日本一の捕手にしたかった」。秘蔵っ子が恩師の花道を飾った。初回、逆風を切り裂いて左越えの先制2ラン。8回にも2点適時打を放って2安打4打点。高橋を巧みなリードで7回まで完全、3安打完封の好投に導いた。

 郡司は「最高。今風に言うと“エモい(感情を揺さぶられる)”ですかね」とおどけつつ「目先の1点にとらわれるのではなく、常に先を大局的に見るようにと言われてきた」と感謝を口にした。仙台育英時代に続き、この大会を制覇。完全試合ペースでも力まず、終盤に突き放してもベースカバーや全力疾走などを怠らない。「大久保野球を体現できた」と胸を張った。

 公式戦はラスト采配となった大久保監督だが、30日にはオール早慶戦、12月10日からは今大会優勝校として台湾遠征に臨む。その後、監督として古巣のJX―ENEOSに復帰する。「12月まで慶応のユニホームを着られて幸せ」。都市対抗を3度制した社会人に続き、大学でも全国制覇を遂げた名将は、最高の笑顔で神宮を去った。 (松井 いつき)

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