中日・伊東ヘッド 巨人・原監督提言の「セのDH制導入」に持論 隔年制を提案

[ 2019年10月25日 15:52 ]

練習を見守る伊東ヘッドコーチ(左)と与田監督
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 中日の伊東勤ヘッドコーチ(57)が25日、巨人・原監督が提言した「セ・リーグのDH制導入」について、持論を語った。

 現役時代は西武一筋、監督として西武、ロッテで指揮を執った「ミスター パ・リーグ」である伊東ヘッドコーチは、大前提として「セ・リーグの醍醐味は投手も打席に入ること」と述べた。

 ただ、今年の日本シリーズで巨人が4連敗し、ソフトバンクに完敗したように13年の楽天から7年連続でパ・リーグのチームが日本一に。交流戦も今季まで10年連続でパが勝ち越しと、実力差が生まれている。

 そこで、伊東ヘッドコーチは「日本シリーズは今年はセパどちらの球場でもDH制あり、来年はDH制なしとかにすれば」と隔年制を提案。交流戦についても同様に隔年にするプランを思い描いた。

 今年、初めてセ・リーグでペナントレースを戦った伊東ヘッドは「本来、セの方がDH制は投手の所に野手が入ればいいだけだから、やりやすいはず。パは本来、投手が打席に入らないのだからセの本拠地球場でやる難しさがある」とパ・リーグチームの方がDH制のない試合で戦術面で苦慮することが多いとした。

 一方で、パ・リーグが日本シリーズ、交流戦でも強い現状を「投手力」と分析する。その要因はやはり、投手が打席に入ることだ。セ・リーグは、仮に僅差のビハインドゲームで5回2死二塁など、得点圏で投手に打席が回ると「たいがい、代打が送られて投手は降板となるでしょ?」と伊東ヘッドコーチ。それに対しパ・リーグは「まず投手が打席に立たないから交代はない。続投でしょ。5回とか勝利投手の権利がかかり、一番苦しくて踏ん張らなきゃいけないときにセは交代、パは続投、となると必然的にパの投手は力が付いてくる」と語った。

 それに応じ、パの投手を打つためにパの野手も力を付ける「相乗効果」が生まれ、パ・リーグが強くなる現状があるとした。
 だとしたら、DH制のないセ・リーグは現状のままだと、どんどん実力差を付けられるのでは?という疑問をぶつけると「日本一になったチームは、そのオフ、外国人獲得やFAに参戦できないとかルールをつくるのも1つの案では。でないと、戦力差は埋まらない」と戦力に均衡を保つため、日本一チームの補強NG案を提案した。

 原監督のDH制導入も伊東ヘッドコーチのDH制隔年案もいずれも球界の発展を願ってこその意見。よりよい議論が生まれることを願う。

 ただ、伊東ヘッドコーチは最後に「完敗した巨人がいるセ・リーグでうちは5位だった。どれだけ弱いかということ」とばっさり。まずはドラゴンズのAクラス浮上が最重要課題であることは言うまでもない。

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