ロッテ・福浦引退試合にあった見事な一体感、一つ残念だったのは…

[ 2019年10月8日 09:30 ]

9月23日の引退試合でロッテ・井口監督(右)と握手する福浦(撮影・長久保 豊)
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 9月23日の日本ハム戦。ロッテ・福浦はZOZOマリンで26年間の現役生活を終えた。チームはCS進出を争うまっただ中だった。「主役」は当日まで井口監督に対し、出場辞退を申し入れたが、指揮官も譲らない。結果、先発フル出場し、4打数無安打だったが「福浦のために」と一体となり、背番号9のユニホームで統一されたチームは見事、快勝。シーズン最終戦へと望みをつなげた。

 最終戦に敗れ3年ぶりのCSは逃した。ただ、選手から「最終戦も福浦さんにベンチへ入ってほしいくらい」との声が出たことが、43歳がつくり出した結束力の大きさを物語る。後日、井口監督にこの話を振ると「引退試合だから(フルで)出したわけじゃないよ」とにやり。大一番でチームを一つにする扇の要の役割を託し、その狙いは見事はまった。

 この引退試合には批判もあった。CS出場のかかった大切な試合なのにという意見だ。「顔見世興行」や「問題だらけ」と一部夕刊紙やフリー記者が取り上げた。営利目的に走りすぎるとの球団への批判も多くあった。

 福浦は今季1軍出場はなく、2軍打撃コーチが主な仕事だった。だからこそ、その福浦に対する「引退試合」のキャンペーンは確かに過剰に思える部分は私自身も感じた。だからこの引退試合の意見も賛否両論、千差万別あっていいと思う。

 ただ、一つ、残念だったのは夕刊紙やフリー記者はその場には不在だったこと。無私無欲だった福浦の姿勢、井口監督の男気と秘策、選手たちの一体感。ちなみに必死に「営利」に走る球団は昨季、千葉移転後初の黒字に転換し、それを惜しみなく戦力補強につぎ込んだ。勝利へ向かうベクトルはみんな同じだ。あの日の球場の「空気」を感じ、現場の生の声に耳を傾けた上、書いてほしかった。

 インターネットには多くの「記事」があふれており、どれが「現場発」なのか見極めることは難しい。ただ、個人的に人と人、顔と顔、言葉と言葉が触れ、生まれるものが記事だと思うし、ましてや憶測だけで書いた批判など論外だと思う。(記者コラム・福浦 健太郎)

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