【大野豊氏 大分析2】ソフトBの強み“第2先発”で流れ渡さず

[ 2018年10月28日 10:00 ]

SMBC日本シリーズ第1戦   広島2―2ソフトバンク ( 2018年10月27日    マツダ )

<広・ソ>5回から登板した武田(撮影・篠原岳夫)
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 引き分けに持ち込んだのは、ソフトバンクの中継ぎ2枚の存在が大きかった。つまり「第2先発」というか、本来は先発で、ロングリリーフができる武田、石川の2投手だ。

 両軍ともに早めの継投策に出てくるだろうとは思っていた。その意味で4回61球の千賀に代打を出してスパッと代えたのも、追い掛ける展開でもあり、驚かない。だが、自信を持って代えられたのも、この2人がブルペンにいるからだ。

 武田はもちろん、先発の実績も十分で、イニングまたぎも不安が少なそうだ。CSの西武戦を見ていても十分、リリーフとしても計算できた。5、6回とも得点圏に走者を背負ったが、何とか粘った。石川は腕が遅れて出てくるような投球フォーム。打者はタイミングが取りづらいだろう。武田、石川で流れを止めて、勝つというのがソフトバンクのパターンでもある。結果的に2人が2回ずつを抑えたことで、8回まで本来の勝ちパターンの中継ぎ投手を起用しなくてすんだ。シーズン中は常識的には考えづらいが、短期決戦で大きな武器となる。

 それに比べると広島は、若干リリーフに不安がある。延長11回、2死一、三塁となり、ジャクソンを諦め、ヘルウェグにスイッチした。ヘルウェグは内川に死球を与えたように、右打者に抜けてくる球があり、制球が良い投手ではない。その中でも8回から2イニングを抑えたフランスアの安定感は光った。緒方監督の信頼はさらに深まったはずだ。得点力のある両軍だが、初戦を見る限り、いかにリリーフを攻略するかがカギになるだろう。

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