和歌山大・貴志「悔い残る」失投 無念の逆転負けに涙

[ 2018年10月28日 14:24 ]

関西地区大学野球選手権大会 敗者復活1回戦   京産大5―4和歌山大 ( 2018年10月28日    大阪・南港中央 )

降板する和歌山大・貴志(左)からボールを受け取る神崎(右)。背中は大原監督
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 和歌山大の貴志弘顕(3年=桐蔭)は敗戦後、しばらく動けなかった。ベンチ裏の通路にうずくまっていた。

 「あの1球ですか……」と声を絞りだした。「まっすぐです。まっすぐが抜けてしまって……。なぜ、得意のスライダーかカットボールでいかなかったのかと悔いが残ります」

 4―3と1点リードの7回裏1死二塁。代打の川岸裕太朗(1年=京都成章)への初球が高く浮き、左翼席へ逆転2ランを浴びた。

 心にあるのは、この敗戦が大学最後の試合となる4年生への思いだろうか。

 「4年生の方にはいろんな勉強をさせてもらいました。和歌山大の野球部始まって以来、初めての優勝を2年も続けて経験させてもらった」

 昨年春の近畿学生野球リーグ戦で、和歌山大は創部94年目で初優勝を飾った。貴志も大学選手権で神宮のマウンドを踏み、1勝を刻んだ。今秋にもまた優勝できた。

 「とても感謝しています。その4年生の人たちの思いを引き継いでいかなくてはいけませんが、まだ気持ちは切り替えられません」

 涙をぬぐい、敗戦後のミーティングに駆けていった。(内田 雅也)

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2018年10月28日のニュース