ソフトB7人鉄壁継投 最多タイ両軍合計44人総力戦

[ 2018年10月28日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第1戦   ソフトバンク2―2広島 ( 2018年10月27日    マツダ )

<広・ソ>継投で引き分けに持ち込み、ナインをハイタッチで出迎える(後列左から)工藤監督、高橋礼、武田、森、石川、甲斐、千賀、西田(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクの救援陣が、無失点リレーで引き分けに持ち込んだ。2番手で5回から登板した武田翔太投手(25)に始まり、7番手のリバン・モイネロ投手(22)まで6投手でバトンをつないだ。クライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がる原動力となった分厚い救援陣が、広島の強力打線の前に立ちはだかった。

 堂々の日本シリーズデビューだった。2―2の延長10回。5番手でプロ5年目右腕の加治屋がマウンドに立った。広島は1番・田中からの好打順。初球カーブで二ゴロに仕留めると、菊池と丸を決め球のフォークで空振り三振に仕留めた。

 セットアッパーは11回も続投。3ボールから鈴木に中前打を許したが、続く松山を投ゴロ併殺打。「いつも8回とかサヨナラのない場面での登板。一発ある打者が並んでいたので、高さだけ気をつけた」とうなずいた。

 7月には2試合連続で勝ち越しを許し、試合後、涙を流した。「一からやり直したい」と頭を丸めた。同学年の森、石川に助言を求めて終わってみれば、72試合の登板で31ホールドを挙げ、セットアッパーとしてフル回転。新人王の資格を持つ遅咲きの26歳がしびれる場面をしのいだ。

 延長12回はドラフト2位のサブマリン・高橋礼だ。1死から四球で勝ち越しの走者を許したが、代打・新井を1―2と追い込み、最後は内角への直球で投ゴロに打ち取った。ここでモイネロに交代したが、こちらも堂々のデビュー戦となった。

 昨年の日本シリーズはドラフトで指名された直後。「この舞台に立たないといけないと思って見ていた」。1年後、自らの力で実現させた。「自分にとっては全部が初めてなので」と動じない強心臓。この日も「ほぼ広島の応援だったけど、自分が応援されていると思って。新井さんと対戦できて良かった」と笑顔で振り返った。

 守護神の森は9回2死から古傷の左足首に異変を感じ、顔をゆがめる場面もあった。それでも「大丈夫」と1イニングを投げ切り、決死のバトンをつないだ。鉄壁の救援陣が無失点リレーで、価値ある引き分けを勝ち取った。(後藤 実穂)

 ▼ソフトバンク・モイネロ(延長12回2死二塁でリリーフ。田中を空振り三振)自分の投球を心掛けて、集中できた。結果的に抑えられて良かった。

 ▼ソフトバンク・石川(7回から2イニングを1安打無失点)ブルペンもベンチも雰囲気はいい。引き分けだけどいい試合ができた。

 《両軍合計44人は最多タイ》両軍の出場選手はソフトバンク23人、広島21人で合計44人。日本シリーズでは10年第6戦(中日22人、ロッテ22人)に並ぶ1試合最多出場人数となった。同試合は延長15回で、12回までに終わった試合では95年第3戦の延長10回43人(ヤクルト22人、オリックス21人)を抜く最多になった。

続きを表示

この記事のフォト

2018年10月28日のニュース