楽天・田中「人生初」満弾でケリ 追いつき追い越され…8回決めた

[ 2018年7月22日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9―7西武 ( 2018年7月21日    メットライフD )

<西・楽>8回1死、田中が左越えに逆転満塁弾を放ち3人の走者に迎えられる(撮影・篠原岳夫)
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 右打席に入った楽天のスイッチヒッター・田中は狙っていた。初球を、そして一発を。2点を追う8回1死満塁。直球を待っていたところにチェンジアップが来た。バットで引っかけるようにさばく。打球は左翼ポール際へと伸びる。「高校でも大学でも記憶にない。人生初です」というグランドスラム。劇的すぎる逆転の一発で乱打戦にケリをつけた。

 「岸さんに負けをつけるわけにはいかないと思っていた。最高にうれしい」。打席を待つ間に田中はイメージを固めた。「本塁打が一番いい」――。普段は満塁で「三振しないように…」とネガティブに考えがちだが、試合中の平石監督代行からのアドバイスを即、実践した。

 3回無死二塁の第2打席。空振り三振を喫すると、ベンチで指揮官から「進塁打でいいんだ。初球からどんどんいけ」と声を掛けられた。安打を欲しがりボールを見過ぎたといい「消極的だった。(8回は)プラスに考えられて良かった」と笑顔で振り返った。

 6月29日に西武・菊池から2ラン。球界を代表する左腕は「彼は何でもできる。凄い打者」と23歳が持つポテンシャルに驚いたという。酷暑の夏場でスタメン出場を続けるのは初体験だが「食べてます。交流戦から2キロ体重が増えました」と現在は75キロ。ベンチでも田中ら若手が率先して声を出す。好調なチームを象徴する存在だ。

 「いやあ、激闘過ぎて…。いろいろあって覚えていないよ。凄い試合だった」。今季初の5連勝。平石監督代行も興奮を隠せない。いまだ借金は15。しかし、何かを起こしそうなムードは漂ってきた。 (鈴木 勝巳)

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