ハム杉浦679日ぶり勝った 元モー娘。あさ美夫人の前で5回零封&自己最速タイ150キロ連発

[ 2018年7月22日 07:40 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2ソフトバンク ( 2018年7月21日    札幌D )

<日・ソ>移籍後初勝利でファンの声援に応える杉浦(撮影・高橋茂夫)
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 道産子が北の大地で復活した。日本ハム・杉浦稔大投手(26)が21日、ソフトバンク戦で移籍後初登板し、5回無安打無失点で679日ぶりの白星を挙げた。昨年7月にヤクルトからトレード移籍。同年4月に発症した右肩痛のためリハビリを続けてきたが、観戦に訪れた元「モーニング娘。」の紺野あさ美夫人(31)の前で快投し、ウイニングボールを届けた。

 昨年9月に生まれた長女を抱っこするあさ美夫人を見つけると、杉浦は照れくさそうに笑った。「お疲れさま」とねぎらわれると、「プロ初勝利と同じくらい重みがある」という記念球を手渡した。

 「家族には支えてもらって心配も掛けた。いろんな方に支えてもらったので、恩返しの気持ちを込めて一球一球投げた。やっと少しは戦力になれたかな」

 自己最速タイとなる150キロを4球も計測。4回は上林、中村晃、柳田から3者三振を奪った。5回、デスパイネに死球を与えたが、5回無安打無失点。昨年4月以来の登板を考慮されて72球で交代したが、ヤクルトだった16年9月10日の阪神戦以来の白星は格別だった。

 昨年7月、トレードを通達された。右肩故障中だったが、潜在能力の高さを買われた。投げられない日々にも、愛娘のおむつを替えるなど家庭にストレスは持ち込まなかった。キャッチボール再開は年末。そこから17年1月の自主トレでマリナーズ・岩隈から教わった下半身主導のフォームに取り組んだ。直球がよみがえり、「自分の中でレベルアップできた」と振り返った。

 前夜は「変な緊張感があった」というが、試合前はあさ美夫人に「頑張ってね」といつも通り笑顔で送り出された。アスリートフードマイスターの資格を取得。栄養を考えた料理でサポートしてくれた愛妻に「リハビリを支えてくれた」と感謝した。

 母校・国学院大の竹田利秋総監督は、杉浦から登板前に連絡をもらった。「いろんな医師を回っても肩を痛めた原因が分からずに苦しんでいた」と教え子の苦労を回想する。それでも杉浦は「そういうタイプじゃない」とお立ち台で涙を見せなかったように、前向きに困難を乗り越えた。

 一度、出場選手登録を抹消され、8月1日の地元・帯広で行われる西武戦先発が有力だ。「また一からという気持ち」。首位・西武に0・5ゲーム差と迫ったチームに大きな新戦力が加わった。 (東尾 洋樹)

 ▼日本ハム・栗山監督 持っているものの大きさ、素晴らしいものを見せてくれた。ドラマチックだった。北海道の皆さんの声援が勝たせてくれたと感じた。

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