ヤクルト川端 13年目初サヨナラ弾 小川監督「この勝ちは大きい」

[ 2018年7月22日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト7―5中日 ( 2018年7月21日    神宮 )

<ヤ・中>川端は試合後にファンの声援に応えバンザイ   (撮影・大塚 徹)
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 ヤクルト・川端慎吾内野手(30)が21日の中日戦で、9回1死一塁からプロ初のサヨナラ3号2ランを右翼席へ運んだ。開幕直後に頭部死球を受け、不調に苦しんできた15年の首位打者が、2試合連続アーチ。チームは2連勝で3位タイに浮上した。

 美しい弧を描いたイメージ通りの打球が、緑色に染まった右翼席に吸い込まれた。川端が右拳を高々と突き上げ、本塁付近にできた輪に飛び込む。仲間たちの手洗い祝福に笑顔がはじけた。

 「凄い、ビックリしています。気持ちいい。最高です。まだ興奮が収まりません!!」

 2―3の7回に2点を奪って逆転しながら、8回に同点とされ、9回に勝ち越された。しかし、誰一人諦めていなかった。1死三塁から畠山の右前適時打で同点に追いつき、打席に川端が入った。「ハタケさんのおかげで楽になった。思い切り引っ張ってやろうと思いました」。前夜は右中間席に勝ち越しの3ランを放ち「昨日みたいになってくれないかな」と思い描いた。

 初球から直球に狙いを絞り、2ボール1ストライクの147キロ直球を完璧に捉えた。スタンドまで運ぶイメージも「正直ありました」とニッコリ。小学生以来というサヨナラ本塁打を、本当に実現させてしまった。

 今季は4月に受けた頭部死球の影響もあり、本調子とはほど遠かった。15年首位打者も、打率は・270。復調のきっかけは自身の姿にあった。14〜16年の映像を見ると、右足の動きが現在と違うことに気付いた。以前は円を描くようにして着地していたが、それができていなかった。「昨日から意識してやってみた」。前日は3ランを含む2安打4打点。この日は3安打3打点と本来の形を取り戻し、2夜連続のお立ち台で輝いた。

 小川監督も「みんなで勝った。この勝ちは大きい」とうなずいた。2連勝で後半戦2カード連続のカード勝ち越しを決め、3位タイに浮上。この勢いに乗り、まだまだ大混戦のセ・リーグを駆け上がっていく。 (町田 利衣)

 《セパ最多5度目劇勝》ヤクルトが9回に川端の右越え本塁打でサヨナラ勝ち。川端のサヨナラ打は15年4月24日の巨人戦以来3年ぶり2度目でサヨナラ弾はプロ13年目で初めてとなった。今季ヤクルトのサヨナラ試合は6度目で5月3日の中日戦から5連勝。サヨナラ勝利5度は広島の4度を抜き12球団最多で、サヨナラ試合の5連勝は11年以来チーム7年ぶりとなった。

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