【静岡】肌で感じていた静岡の強さ ライバルたちが胸を張った準優勝

[ 2018年7月5日 08:00 ]

第55回大会決勝   静岡2―3広島商 ( 1973年8月22日    甲子園 )

<広島商・静岡>サヨナラで優勝に輝いた広島商ナインは大喜び
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 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。

 今から45年前、木製バット最後の夏だった。春に続き江川(作新学院)をどこが倒すのかに注目が集まった。2回戦で銚子商が延長戦の末、江川から押し出し四球のサヨナラ勝ち。怪物は雨中に消えた。

 県代表の静岡は順当に勝ち上がった。植松、水野、白鳥の大型クリーンアップは破壊力抜群。県の準々決勝で対戦して強さを肌で感じ、必ず上位に行くと確信していた。

 予想通り決勝に進出した静岡は広島商と対戦した。私はテレビの前にかじりついた。初回、広島商が2点を先制。静岡は追う展開となった。そして迎えた6回だった。無死一塁から植松が右中間に二塁打。二塁ベース上で「どんなもんだい」と言わんばかりにふんぞり返る植松の姿には笑えた。この大チャンスに水野が放ったライナーは中前に抜ける同点タイムリーになるはずだった。

 しかし二塁手・川本が横っ跳びでつかみ二塁ベースを踏んで併殺。のちに知ったが川本は二塁にけん制に入ろうとして動いた瞬間、打球が来たという。水野のライナーがあと10センチずれていたらと残念でならない。その後、白鳥が左越え二塁打を放ち1点を返したのはさすがだった。8回に水野の中犠飛で同点。走者の植松がブロックする捕手・達川を押し倒してホームインした姿に意地を見た。

 同点にしたものの勝ち越せない。嫌な予感は9回に現実のものになる。1死満塁、カウント2―2になったとき画面に向かって「スクイズもあるぞ」と叫ぶ私がいた。三塁前に転がったスクイズ。間に合わないとわかっても懸命にバックホームする永嶋の送球は高く、捕手の水野が笑ったようにあきらめた表情が今も記憶に残っている。草薙球場で戦った仲間が甲子園で準優勝。県で静岡に敗れたチームは誇りに思ったものだ。

 最後に。中学時代に静岡・佐久間にいた江川が栃木に引っ越さずそのまま静岡に入学していたら。ひょっとして1年夏から甲子園5連覇できていたのではないかなんて今でも考える。間違いなく高校野球史上最強のチームになっていたのにと。

 ◆落合 紳哉(特別編集委員)78年入社。掛川西では1番左翼手。明大で野球部マネジャー。高校野球をこよなく愛す。

 <静岡データ>

夏の出場 83回(通算85勝82敗1分け)

最高成績 優勝1回(静岡中=1926年)

最多出場 静岡(24)

最多勝利 静岡(22)

出場経験 23校、うち未勝利7校

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