広島ドラ2昂也 同期「高校ビッグ4」一番星誓う

[ 2016年11月2日 05:30 ]

カープの赤い帽子をかぶり、笑顔で指名挨拶を受けた広島ドラフト2位の花咲徳栄・高橋昂也。左は苑田スカウト統括部長、右は担当の尾形スカウト

 広島からドラフト2位指名を受けた花咲徳栄・高橋昂也投手(18)が1日、ライバル3人に先んじるプロ初勝利を宣言した。夏の甲子園を沸かせた「高校BIG4」の1人。埼玉県加須(かぞ)市の同校で、苑田スカウト統括部長らの指名あいさつを受けた大型左腕は「早くチームに貢献したいので、そこ(3人よりも早い1勝)は目指したい」ときっぱりだ。1年目からの活躍に期待が膨らむ。

 歓喜に沸いたドラフト会議から12日目。日本シリーズの激闘をテレビ観戦していたという18歳の心は、既にカープの一員だった。苑田スカウト統括部長と尾形スカウトのあいさつを受け、とびっきりの笑顔で声を弾ませた。

 「やっとプロに入る実感が湧いてきた。セ・リーグ優勝した本当に強いチーム。そこで野球ができることに、喜びの気持ちでいっぱいです」

 履正社・寺島(ヤクルト1位指名)、作新学院・今井(西武1位指名)、横浜・藤平(楽天1位指名)と並ぶ「BIG4」で、夏の甲子園は記憶に新しい。優勝した作新学院と3回戦で対戦しチームは今井の前に敗れたが、先発回避した高橋昂は5回1失点と意地を見せた。同校の岩井隆監督は言う。

 「寺島くん、藤平くんと比べると、昂也は発展途上。スピードに制球、切れ。この3年間、すべての面で伸びたけど、まだ伸びると思います」

 1メートル81、86キロの体から投じる直球はMAX152キロ。尻から太もも、ふくらはぎにかけての肉付きは、既にプロ選手並みだ。今春選抜後に左肩胛骨の下を痛め、以降はミニキャンプのつもりで、自宅から学校まで往復18キロの道のりを毎日走って通学。強じんな下半身を手に入れた。

 「真面目な性格」(岩井監督)で大言壮語しないタイプ。自身がBIG4と呼ばれることに「実力に見合っていない。まだ足りない部分がある」と謙そんするが、ドラフト1位指名された3人には負けたくない。誰よりも早いプロ1勝。そこに左腕は意欲を燃やす。

 「1日でも早くチームに貢献したい。そこ(3人よりも早い1勝)は目指したいと思います」

 6月に、リリースの瞬間に力を入れる投球フォームに改造。担当の尾形スカウトは「(巨人の)杉内タイプ」とし「高校生だけど、即戦力に近い。1年目の後半には出てきそう」。岩井監督も「最初は体づくりでしょうが、投げさせたら面白いと思う」と語った。

 「将来はチームを背負って立つような、勝てる投手になりたいです」

 球持ちのよい150キロ超に、三振を奪える決め球フォークは一級品。それでいて発展途上とは末恐ろしい。どんな怪物に化けるか楽しみだ。(江尾 卓也)

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