【記者の目】コリジョンルール導入1年目「あいまい」排除が重要

[ 2016年5月13日 08:50 ]

11日の巨人戦で阪神・原口の本塁をまたいだ捕球体勢がコリジョンルールの対象に

 今回の判定を難解にしたのは、捕手の原口が「走路に入らず捕球できたか」という点。阪神側が主張する「捕球のため(走路に入った)」かどうかの判断は審判員の裁量であって、100%の正解は存在しない。

 ルール導入1年目。運用論として「あいまいな要素」の排除は何より重要で、走路でいえば「捕手が本塁ベースをまたいでいた」=「走路を空けた」とはならない。捕手の体勢は関係なく「走路にいたかどうか」の客観的状況が判断となる。その点は1月の12球団への説明会、キャンプ、オープン戦を通じて現場にも周知徹底したはずだった。

 「大リーグと運用が違う」と指摘する声もあるが、大リーグで試験導入された14年は適用は100件近くあり、完全アウトと見えてもセーフに覆った事例もあった。「厳しすぎる」との現場の声を採り入れ、15年の適用は30件以下に減った経緯がある。理想に近づけるには時間を要する。

 ただ、阪神の問題提起は貴重である。審判部も来季以降、現場の声をくんだ適用基準の見直しを行う意向だ。判定はもはや覆らないが、野球の魅力を損なわない「よりよいルールづくり」へ向けたきっかけとなるはずだ。 (NPB担当・倉橋 憲史)

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