DeNA 延長連敗13でサヨナラ~!10回倉本決めた

[ 2016年5月13日 05:47 ]

<D・中>サヨナラ打を放ったDeNA・倉本(左)はラミレス監督とビクトリーポーズ

セ・リーグ DeNA6―5中日

(5月12日 横浜)
 横浜大洋ホエールズ…いや、横浜DeNAベイスターズに勢いが出てきた。12日の中日戦は3点差を6回に追い付き、5―5で延長戦へ。10回無死満塁から倉本寿彦内野手(25)が左翼へプロ2年目で初のサヨナラ適時打を放った。昨季から続いた延長戦の連敗を13でストップ。初の3カード連続勝ち越しだ。ヤクルトの勝率5割復帰で3日以来2度目のセ・リーグ借金丸抱えとはなったが首位までは5ゲーム差。遠くはない。

 火を噴くようなライナーが二遊間を突き抜けた。殊勲打を放った倉本が吠え、ファンは大歓声で呼応した。チームメートからは容赦ない「水攻め」。横浜大洋ホエールズの復刻ユニホームに身を包んだナインが、一丸で昨年から続いていた延長戦の連敗を13で止めた。

 「(連敗の記録は)あまり気にしていなかった。まさか自分が、こういう場面で打てるとは、想像もしていなかった」

 最高の瞬間は延長10回に訪れた。無死満塁。直前の宮崎が四球だっただけに「絶対に(ストライクを取りに来る)初球を打つ」と決めていた。外寄り148キロの直球をジャストミートした、プロ初のサヨナラ打。初回に8試合連続安打となる二塁内野安打を放ち、4回には6試合連続マルチとする中前打を放った。そして、この試合の3安打目で試合を決めた。

 地元の横浜高出身。社会人を経て即戦力の内野手として入団した昨季は102試合に出場も、打率・208に低迷した。「何かを変えなければ」と一念発起した今季は打撃練習から実戦を意識している。この日も最初は打席の一番後ろ(捕手寄り)に立ったが、最後の数球は打席の一番前(投手寄り)に移動。理由は「体感速度を上げるため」で、どんな投手の直球にも振り負けない打撃を目指している。サヨナラ打は又吉が投じた直球を捉えたものだ。打率・348はリーグ4位。大洋時代の山下大輔ばりの不動の遊撃手になるべく、「試合のための練習」で成長ロードを歩む。

 「We ☆(LOVE) YOKOHAMA DAY」として開催された今3連戦。78~92年に使われた「戦闘服」で3カード連続の勝ち越しを決めた。セで唯一借金を抱えるが、5月は6勝4敗。ラミレス監督も「ホームで(延長戦の)連敗を止めることができた。一丸で勝てたことが大きい」と目を細めた。

 大洋の最終年は92年で、91年1月生まれの倉本は当時1歳だった。「ハマっ子」ながらユニホームの感想を問われると「見たこともないので…」と苦笑い。「でも、いい思い出になりました。今日は忘れない」と声のトーンを上げた。梶谷、筒香、そして倉本。個性派ぞろいだった大洋のように個々のキャラが立ってきた。(山田 忠範)

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