沢村150キロ台連発2勝 川口コーチ分析「地方球場に強い」ワケ

[ 2013年4月26日 06:00 ]

<巨・D>2勝目を挙げた巨人・沢村。帽子のひさしには「気」「信」「責」の文字が

セ・リーグ 巨人5-3DeNA

(4月25日 岐阜)
 巨人は25日、DeNAに同一カード3連勝を達成した。先発の沢村拓一投手(25)は本来の球威が復活し、7回1死までパーフェクトの快投。9回に3ランを浴びて完投も逃したが、8回0/3を3安打3失点で2勝目を挙げた。首位を独走する巨人は貯金を13とした。

 パーフェクトも、初の無四球完封も逃した。9回無死一、二塁から石川に3ランを浴び、沢村は降板した。悔しさを隠せなかったが、確かな手応えが残ったのも事実。再起を図った岐阜で大きな2勝目を手にした。

 「9回も登板した以上は完封しないといけなかった。次は必ず完封できるようにします」

 原点回帰。初回から直球で押した。2回はブランコ、ラミレス、中村を圧巻の3者連続三振。ここまで23球中19球が直球。球場のスピードガンは全て150キロ以上を計測した。「初回の失点が2試合続いていた。チームが点を取るまでは辛抱強くと思っていた」。7回1死まで完全投球。20人目の打者・内村に左前打され大記録はついえたが「どこかで打たれますし。チームが勝てればいいと思い投げていました」と動揺はなかった。

 背水の陣。好調なチームの中で、自身は2連敗中だった。前回18日阪神戦(東京ドーム)で3回4失点KO後には川口投手総合コーチから「再調整?それも考えている」と尻を叩かれた。これまでは直球がシュート回転することが多かった。沢村は先発登板の2日後に与えられる休日も返上して調整し、22日の甲子園での練習日には90メートル超の遠投も取り入れた。軸足の右股関節へのためを意識し、フォームを大きく使うことで、本来のスピンの効いた直球が戻った。

 地方球場独特の照明も、沢村の直球の威力を引き立てた。長良川球場のバッテリー間の明るさは2500ルクスで、東京ドームの2800ルクスより暗い。103球中、直球は71球。「僕の考えだと彼は地方球場に強い。ルクスが落ちるから、球が速く見える」と川口コーチは意外な効果も指摘した。

 天下統一。この日の沢村のように難攻不落でうたわれた岐阜城が左翼後方から見守り、織田信長はこの地を天下取りの拠点とした。「若手も含め先発が6人で回り危機感はある。先頭に立ち引っ張る気持ちでいきたい」。残した悔しさも確実に先に生きる。沢村が再出発となる力強い一歩をしるした。

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