藤井王将 目標はタカく!王将戦も歴代年度最高勝率もトリます!!最高チョウの笑顔で勝者の記念撮影

[ 2023年1月11日 05:00 ]

掛川花鳥園を訪れコガネメキシコインコの歓迎を受ける藤井王将
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 第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第1局で羽生善治九段(52)に先勝した藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が一夜明けた10日、王将戦恒例「勝者の記念撮影」で、静岡県掛川市の「掛川花鳥園」を散策した。昨年11月からの連勝を7に伸ばし、今年度勝率は36勝7敗の.837に上昇。中原誠16世名人(75)が67年度に残した歴代最高.855(47勝8敗)が視界に入ってきた。

 肌を刺す爪の感触を「かゆかったです」と苦笑いした。花と鳥との触れ合いが楽しめる掛川花鳥園。同園から「スペシャルなエサ」というヒマワリの種入りのカップを手渡されると、コガネメキシコインコから熱烈な祝福を受けた。

 「本当に全く初めての経験。周りに10羽くらいいたのでさすがにビックリしました」

 タカの一種レッドテールホークも腕に乗せた。同園飼育管理部門の責任者・北條龍哉さん(42)によれば「タカには怖いイメージがあるので、緊張すると敏感で伝わる。怒ったしぐさをして飛んでいったりするが、そういうそぶりが全くなかった」と史上最年少5冠の貫禄を証言した。

 自宅で動物の飼育経験はないというが時折、猫が庭へ遊びにくるのを楽しみにする。「見つけては喜んでいます」。ペットのウサギをSNS発信する羽生に対抗し、インコを飼うプランについては「ハードルが高そうです」と笑顔で却下した。

 羽生用意の一手損角換わりを打破した第1局。「激しい変化の多い将棋で長考したところも多く、判断に悩むところはあった」と回想した。それでも持ち時間は羽生のほぼ倍、45分残しての勝利。連勝を7に伸ばした。

 今年度成績は36勝7敗に。中原の歴代最高・855が視界に入った。2月からは渡辺明棋王(38)=名人との2冠=に挑む棋王戦5番勝負も加わりダブルタイトル戦となるが、その前に、まず15日に朝日杯。1回戦に勝てば2回戦も同日にあり、収録済みのNHK杯も放映される。

 「1日3勝」の可能性があり、18日は名人挑戦権争いの単独首位を走るA級順位戦。王将戦第2、3局と続く。今月末までの6局に全勝すれば42勝7敗となり、・857で67年度の中原を超える。
 当時の中原とは共通点がある。同じ20歳。ただ、中原はまだ五段で初タイトルは翌年度の前期棋聖戦。今年度、強者ぞろいの序列1位で重ねた白星と価値が違う。

 「プロとしてやっている。話題にしてもらえればありがたい」。3月末まで、最高勝率のプレッシャーすら歓迎する藤井の動向にさらなる注目が集まる。(筒崎 嘉一)

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