山下達郎「サンソン」で初のテレワーク収録 新型コロナに立ち向かうには「冷静さと寛容さが何よりも大事」

[ 2020年4月12日 19:41 ]

山下達郎
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 シンガー・ソングライターの山下達郎(67)が12日、TOKYO FM「山下達郎のサンデー・ソングブック」(日曜後2・00)に出演、番組冒頭で新型コロナウイルスで非常事態宣言が出される中、団結を訴えた。

 番組冒頭では山下は「非常事態宣言が出されました。それに対していろいろな声があります。普通に社会生活を送っている人にとって家にこもって外に出るなという、また中小の経営者にとって店舗の営業を自粛せよという、今の状況に対して不安のない方など一人もおりません。怒りのない方だって一人もおられないと思います。皆、じりじりした気持ちです。それを口にしたい衝動を皆、抱えています」と話し始め「こういう現状の中で生まれる数々の不条理へのとまどいとか、うっぷん、いらだちを抑えきれずに、ある人はそれをネットに噴出させ、ある人はメデイアを使ってぶちまけています。そうしたい気持ちは痛いほどわかります。私だって、思い切りどなりまくりたい衝動もあります。でも、そんなことしてもウイルスがなくなるわけではありません」と続けた。

 さらに「今、一番必要なのは政治的なものを乗り越えて、団結ではないかと思います。政治的対立を一時休戦して、いかにこのウイルスと闘うかをこの国の皆で、また世界中の皆で助け合って考えなければならない時です。何でも反対、何でも批判のプロパガンダはお休みにしませんか。責任の追及とか糾弾は、このウイルスが終息してからでも、いくらでもすればいいと思います。再三再四申し上げているように、こういうときは冷静さと寛容さが何よりも大事です。静かに落ち着いて物事を語りましょう。正確な判断は冷静さからしか生まれません。我々は我々ができることをいたしましょう。今はできるだけ他者との接触をさけ、感染の広がりを防ぐ努力をいたしましょう」と呼びかけた。

 また、この日の放送から、初めてテレワークで収録したことも報告。「この番組は台本がありませんで、選曲は100%私が受け持っております。元素材も自宅でリマスタリングをほどこして、データでTOKYO FMに持ち込んでいますので、まあ自宅で私のナレーションを録音するための機材をそろえて、その結果スタジオに行かないという以外は、作業工程はあまり変わらないんです。一般の録音番組ですと、もう少し制約が出ると思います。その点はラッキーなんですが。一般の録音番組ですと、パーソナリティーがうちでナレーションを録ったりしましても、最終的な編集はやはりスタジオで行わないといけないんですが、私の番組は家内制手工業なのでそういうことができます。完全に全員が自宅で作業ができる」とし、「これにより、自宅と半蔵門、TOKYO FMとの往復による第三者との接触を回避できまして、感染リスクを多少なりとも減らすことができると考えました。情勢が一段落するまで、当面この形態で続行することになりましたと説明した。

 さらに、山下は今年、難波弘之、伊藤広規との3人編成でアコースティック・ライブ「Special Acoustic Live 2020」を行っていたが、5~7月の公演の中止も報告。5月2、3日の大阪・梅田CLUB QUATTRO、6月6、7日の広島 CLUB QUATTRO、7月4、5日の新潟LOTSの3都市6公演で「ライブを楽しみにしてくださっていた皆さまには大変申し訳なく、おわび申し上げますが、少なくとも7月ごろまではまだお客さまに安心してライブを楽しんでもらえる状況にならないだろうという判断でございまして」とし、「延期日程をいつ頃に設定すればいいか、いつごろなら安心してライブを行えるか、まだ誰にも分からない状況ですので、延期の準備はまだしておりません。一応、中止とさせていただきました」と、今後の様子を見て再び公演を行うことへの含みも持たせていた。

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2020年4月12日のニュース