仙台大スーパー1年生・佐藤幻瑛 152キロ衝撃全国デビュー 5回1/3零封「勝てるという気持ち」

[ 2023年6月7日 04:30 ]

第72回全日本大学野球選手権第2日・1回戦   仙台大4―1桐蔭横浜大 ( 2023年6月6日    神宮 )

<桐蔭横浜大・仙台大>3回、ピンチを抑え、雄叫びを上げる仙台大・佐藤(撮影・木村 揚輔)
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 1回戦4試合と2回戦2試合が行われた。仙台大の1年生右腕・佐藤幻瑛(げんえい)投手は桐蔭横浜大との1回戦で先発し、自己最速を3キロも更新する152キロをマーク。自身初の全国大会で5回1/3を無失点に封じる好投で、初戦突破に貢献した。

 幻影ではない。0―0の2回1死。仙台大の右腕・佐藤が渾身(こんしん)の高め直球で、6番・青木から空振り三振を奪った。スコアボードの球速表示は「152」。その瞬間、観客、ネット裏で視察した12球団のスカウトがどよめいた。

 「絶対に勝てるという気持ちで投げました。こういう投球が毎回できるようになりたいと思います」

 名前である幻瑛の由来は本人も知らない。それでも仙台大に突如として現れたスーパー1年生の名は、全国にとどろいた。初の大舞台ながら、桐蔭横浜大のプロ注目左腕・古謝と先発で投げ合い、5回1/3を3安打無失点。自己最速を3キロも更新した直球を軸に4三振を奪い、9年ぶりの初戦突破に導いた。

 地元・青森の柏木農ではリンゴの収穫など農業を学んだ。豊かな自然の中で大きく育ち、どんな状況でも「自然体でいられるようになった」と笑う。青森大会での最高成績は2回戦。甲子園とは無縁な野球部だったが、最速146キロの潜在能力を買われ、仙台大の門を叩いた。

 ダイヤの原石は東北屈指の強豪で磨かれ、早くも150キロの大台をクリアした。「プロ野球選手になりたい」。夢の舞台へ、確かな一歩を刻んだ。(柳内 遼平)

 ◇佐藤 幻瑛(さとう・げんえい)2004年(平16)12月17日生まれ、青森県黒石市出身の18歳。小3から野球を始め、黒石中では軟式野球部に所属。柏木農を経て仙台大に進学。今春のリーグ戦は5試合に登板して3勝0敗。防御率4・22。50メートル走6秒5。憧れの選手はエンゼルス・大谷。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

 ≪プロ注目・辻本、攻守でけん引≫昨年の侍ジャパン大学日本代表で、プロ注目の辻本は「3番・遊撃」で出場し2安打2打点。延長10回にはダメ押しの適時二塁内野安打を放った。「絶対に点を取りたいという思いで打撃に入れました」。華麗なジャンピングスローなど守備でも躍動。主将として「チームを勝たせたいという思いが強い」と力を込め、7日の東日本国際大戦を見据えた。

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