日本ハム・上原の優しさに胸を打たれた 試合のない日、選手の素顔を見に来ませんか?

[ 2023年6月7日 08:00 ]

6日の広島戦に先発し、6回1失点と好投した上原(撮影・高橋 茂夫)
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 左腕の優しさが垣間見えた。試合がない月曜日。日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」は一部エリアが開放されており、一般客が球場内を見学することができる。その日は翌日の先発を控えた上原健太投手(29)が、グラウンドでキャッチボールなどで調整。私もスタンドからその姿を見ていた時だった。

 上原が右翼フェンス付近で20メートルダッシュで汗を流す中、スタジアムツアーの団体客が近くを通った。その時だ。最後尾に車椅子の方が入り口付近で段差にタイヤがはまってしまい、身動きが取れなくなった。それに気付いた上原はさっと駆け寄って声を掛けると、車椅子を持ち上げる手伝いを買って出たのだ。

 後日、その件を聞くと上原は「係の方が持とうとしても持てなくて。じっと見ているのも違うなと思って」と、照れくさそうに答えた。きっと、彼にとっては当たり前のことかもしれない。しかし、人間関係が希薄な現代社会。困っている人に、とっさに手を差し伸べられる姿に胸を打たれた。

 練習後もスタンドに子供がいるのを見つけると、ボールをプレゼントしてハイタッチ。ブルペンに落ちていたゴミを拾い、裏にあるゴミ箱に捨てる姿もあった。「スタンドが近いので、ブルペンだったりグラウンドのフェンス際に結構、ゴミが落ちている。特に見るのはストローの包み紙の切れ端。1回、目に入ってしまうと見過ごす訳にはいかないじゃないですか」と、苦笑いで振り返った。

 新球場周辺エリアの「Fビレッジ」には子供たちが遊べる施設などが複数あり、試合がない日でも人々が集う「行楽地化」を目指している。普段は見られない選手の素顔を見られるのも、新球場ならではだろう。(記者コラム・清藤 駿太)

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