侍・ヌートバー 万感胴上げ 愛され日系侍 ジャパンドリーム実現

[ 2023年3月23日 04:50 ]

WBC決勝   日本3-2米国 ( 2023年3月21日    マイアミ )

<日本・米国>ナインに胴上げされるヌートバー(撮影・光山 貴大)
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 “たっちゃん”は最後まで中心にいた。ヌートバーが同点の2回1死満塁で三塁走者を還した一ゴロが決勝点に。全試合に1番で起用された25歳は、栗山監督、ダルビッシュ、大谷に続いて胴上げで3度宙を舞った。

 「こんなに持ち上げられたのは初めて。今までで最高の瞬間の一つでした。写真を撮っておけばよかった。生涯忘れられない」。カリフォルニア州で生まれ育ち、胴上げは初体験。空中で両手を上げてポーズを取ることもできず、照れ笑いした。

 侍ジャパン初の日系選手。06年にヌートバー家がホストファミリーとして高校日本代表を迎え入れ、田中将大(現楽天)や斎藤佑樹らと交流した。そこで抱いた日本を背負う夢が、最高の形で結実。「9歳の時、私は日本代表の一員になりたいと言った。今まさに夢の中で生きているような気分。本当に信じられない」。所属するカージナルスで代名詞だったペッパーミルパフォーマンスは、日本で大ブームに。代表入りを「人生で一番最高の決断だと思っている」と語り、「母は私のために全てを犠牲にしてくれた。金メダルは彼女にプレゼントしたい」と母・久美子さんへの感謝を口にした。

 次回大会が行われる3年後、再び日本代表としてプレーしたいかという質問には「間違いないです」と、きっぱり答えた。「短い期間だったけど、チームでハードワークができた。そして何より日本のために優勝できたことは幸せ。ニッポン、ダイスキ、ミンナアリガトー!」。わずか2週間でそのプレーとキャラクターで残した足跡は、日本野球の歴史に深く刻まれた。(阪井 日向)

 ≪父チャーリーさん「死んでもいい」≫ヌートバーの母・久美子さんと父・チャーリーさんは現地で優勝を見届けた。チャーリーさんは日本語で「死んでもいい、もう最高過ぎて。凄い」と喜びを表現。愛息同様に栗山監督に抱きつく場面もあった久美子さんは「もう感動しかないです、ありがとうございます!皆さまに温かく受け入れてもらって、最高のチームだったと思います」と涙を流した。

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2023年3月23日のニュース