女子ノッカー第1号・城東・永野悠菜マネジャー「夢ってかなう」

[ 2023年3月23日 05:21 ]

第95回選抜高校野球大会第5日2回戦   城東2―5東海大菅生 ( 2023年3月22日    甲子園 )

<東海大菅生・城東>試合前のノッカーを務めた城東・永野悠菜さん(撮影・後藤 大輝) 
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 【素顔で君にアイラブユー】今大会最少の12選手で臨んだ城東の女子マネジャー、永野悠菜さん(3年)が、東海大菅生戦の前にノッカーを務めた。甲子園史上初めてのことだった。

 「みんなが甲子園に連れてきてくれて、ノックができた。夢って諦めなければかなうんですね」。夢の時間は2分間。内野ノックで18球を三遊間、二遊間の厳しいところにも打ち分けた。

 中学では吹奏楽部だった永野さんに、幼稚園から小中高と一緒だった森本凱斗主将がLINEを送った。「野球部のマネジャーになってくれ。一緒に甲子園に行こう」。少ない部員たちが交互にノックをする姿に「私がノックできれば、みんなの練習時間が増える」と決意。昨春、生まれて初めてバットを振った。何度も血豆を作りながら努力を重ねたことが評価され、今大会から解禁の女子ノッカーの第1号になった。

 ノックバットと手袋は昨年のクリスマス会で仲間にプレゼントされた。お返しに手作りのお守りを渡して甲子園に臨んだ。思い出の1本は2月中旬の練習中に折れ、現在は2代目。幼なじみの森本主将からは「ナイスノック!」と声を掛けられ、円陣にも加わった。

 ユニホームから制服に着替えたベンチではスコアブックに戦いを記録。「前は精神年齢が低めな感じだった。私だけじゃなく、みんなに声かけしてたんです。入ったのが私というだけ。でも今日は森本もみんなも輝いていた」と振り返った。

 作家・瀬戸内寂聴さんの母校は県下有数の進学校。今後は受験勉強も本格化する。「夏までみんなと駆け抜ける」と永野さん。ノックバットとペンの“両立”を続ける。 (鈴木 光)

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2023年3月23日のニュース