確率0・39%の3度空振りの三振、「第1ラウンドは彼が勝った」とトラウトはリベンジ誓う

[ 2023年3月23日 10:31 ]

米国主将としてプレーしたトラウト(AP)
Photo By AP

 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が22日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の大谷翔平対マイク・トラウトのドラマチックな幕切れについて、米国側からの視点で描写している。

 映画のような完ぺきな終わり方だったが、米国の選手たちの抱いていたシナリオは180度違った。トラウトの次に打席に入るはずだったポール・ゴールドシュミットは「マイクと自分が連続でホームランを打って、最後は守護神のライアン・プレスリーで締めくくる方が良い終わり方だった」と悔しがる。今大会5本塁打を放ったトレー・ターナーは「ジェフ・マクニールが四球で出たから、マイクが2点本塁打で逆転する。みんなで大騒ぎするはずだった」と唇を噛んだ。

 トラウトは「思っていたように行かなかった。最悪だ」と漏らした。ローゼンタール記者は「彼らは、負け惜しみを言う往生際の悪い敗者だったわけではない」と指摘する。トラウトはじめ米国の選手たちはWBCの経験に目を輝かせ、日本人選手の高い技術を称えた。しかしながら負けて満足しているようなら、今の立場にはいない。トップ選手たちは勝利のために燃え尽きるまで戦う。それこそがスポーツの本質であり、WBCもそのためにある。

 ローゼンタール記者は大谷対トラウトの一騎打ちを、米国史に残るボクシングの名勝負になぞらえ、「バッターボックスのアリ対フレージャー」だったと記す。モハメッド・アリ対ジョー・フレージャーは1971年の初対決から「世紀の一戦」と騒がれ、最初はフレージャーが勝ったが、74年、75年はアリが制した。トラウトは大谷にフルカウントの末、空振り三振を喫した。トラウトが1つの打席で3度も空振りをすることは滅多になく、メジャー6174打席で24回だけ(確率0・39%)だった。「第1ラウンドは彼が勝った」と最後に負けを認めたトラウト。第2、第3ラウンドの再戦を求めている。

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2023年3月23日のニュース