侍・大谷 かなえた花巻東3年時の「人生設計」 恩師・佐々木監督「夢を与え続けて」

[ 2023年3月23日 05:05 ]

花巻東時代の大谷
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 大谷は花巻東3年時の人生計画表の27歳の欄に「WBC日本代表MVP」と記した。計画表より1歳年を重ねたが、初のWBC日本代表入りだけでなく、MVPまでも達成した。「人生が夢をつくるんじゃない!夢が人生をつくるんだ!!」「人生を野球に」「俺がやらなくて誰がやる!?」の力強い言葉とともに書き込んだ。このオフ、大谷と連絡を取った野球部同期で当時三塁コーチャーだった皆川清司さんは「何が凄いって、これを本当にかなえたことです」と驚いていた。

 人生計画表を活用した野球部の恩師・佐々木洋監督は「日本のこれからの野球を左右する大事な大会で、優勝してくれたことをうれしく、そして感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。その他に「マンダラチャート」と呼ばれる目標達成のためのシートを活用。大谷が右横マスに「スピード 160キロ」と書き込み、3年夏の岩手大会準決勝で高校生初の160キロを計測した。この日の米国戦を前に「声出し」で語った言葉は、佐々木監督から「“超えたい”と思ってやらないと目標には届かない」と諭された経験から自然に出た言葉だった。入部当初、先輩の菊池雄星(現ブルージェイズ)を目標に「雄星さんみたいになりたい」と掲げると、「◯◯みたいになりたい、ではそのちょっと下で終わる」とダメ出しされた。

 佐々木監督は日米を席巻した二刀流の功績に感謝する。「これまでの野球の非常識をこれからの野球の常識に変え、人の可能性を広げ、無限大にしたその影響はあまりにも大きい」。日米ともに競技人口の減少や人気低下が課題。「これからの野球界そして子供たちのために夢を与え続け、手本となる選手でいつまでもいてほしい」とエールを送った。

 人生計画表にはその他に、サイ・ヤング賞やワールドシリーズ制覇が3度も記されている。まだ28歳。いつも想像を超えてくる大谷の野球人生ほど、予想できないものはない。

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2023年3月23日のニュース