病乗り越えた光・菊本君の恩返しは続く 甲子園に連れてきてくれた仲間への感謝胸に

[ 2023年3月23日 07:00 ]

第95回選抜高校野球大会第5日・2回戦   光2―0彦根総合 ( 2023年3月22日    甲子園 )

<彦根総合・光>三塁ランナーコーチを務めた光・菊本(撮影・北條 貴史)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】光の菊本瑛大(ようだい)君(3年)は、病を乗り越え、仲間が連れてきてくれた舞台に立てる喜びをかみしめました。

 秋の県大会後、授業中に身体に異変が生じました。「なんか息苦しいな」。帰宅しても症状が治まらなかったため病院へ行くと、肺気胸と診断されました。数日入院した後に一度退院しましたが、その翌日に再発。手術を余儀なくされました。

 くしくも手術当日は浜田との中国大会初戦でした。「手術より試合の方が気になった」という菊本君に対して、エースの升田早人主将は「これからがあるけえ。お前の分も頑張ってくるから」とメッセージをくれました。約3時間の手術を終え、勝利の報告に喜びました。退院後も大声を出すことや身体を動かすことは一切禁止。中国大会の準決勝、決勝は球場に駆け付け、静かに準優勝を見守りました。

 運動制限が解除され、全体練習に合流したのは12月。「チームを離れたからこそ客観的な気付きがあった」と走塁面のアドバイスを送りました。

 今も身体に4つの術痕がありますが「体調はばっちりです!」と聖地では三塁ランナーコーチを任されました。「仲間には感謝しかない」。支えてくれた球友への恩返しはまだまだ続きます。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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2023年3月23日のニュース