日本ハム一筋14年 杉谷拳士、31歳涙の「前進会見」プロ野球人生に区切り「ワクワクしている自分も」

[ 2022年10月29日 06:00 ]

侍ジャパン・栗山監督(左)から花束を受け取とり涙する日本ハム・杉谷(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの杉谷拳士内野手(31)が28日、札幌市内の球団事務所で会見を行い、今季限りでの現役引退を表明。「引退会見という言葉は使いたくない。前進会見ということで、これからの人生を前進していきます」と前向きな言葉で14年間のプロ生活に終止符を打った。

 卓越したトーク力でファンを楽しませ、敵地のベルーナドームでは恒例のウグイス嬢からのいじりなど、球団の垣根を越えて愛された希有(けう)な存在だった。31歳での引退決断。会見では昨季まで指揮を執り、今回も最初に相談した侍ジャパン・栗山監督、そして両親の顔を思い浮かべ、熱い思いが込み上げてきた。栗山監督が花束贈呈にサプライズ登場し、抱きしめられると涙腺が崩壊。「やり残したことはないですか?」と問われ涙ながらに「はい。これから前進します」と誓った。

 今季は51試合で打率・165、0本塁打、3打点。新庄監督に報告した際は「期待を裏切った」と謝罪した。今後は「心の底からファイターズを強くしたい」と球団への恩返しを口にする一方で、元同僚の斎藤佑樹氏のように起業の準備も進めていると明かした。「会社を登記するタイミングとかリアルな勉強から始めている」と斎藤氏ともタッグを組む予定。球団運営などを学ぶために海外留学したい考えも明かした。

 栗山監督が指揮を執る11月5日の侍ジャパンとの強化試合が引退試合となる。「寂しい半面、ワクワクしている自分もいる」。プロ野球人生に区切りをつけ、今後は「野球人・杉谷拳士」として元気を届けていく。(東尾 洋樹)

 ◇杉谷 拳士(すぎや・けんし)1991年(平3)2月4日生まれ、東京都練馬区出身の31歳。中学は東練馬シニアでプレー。帝京では1年夏、2年春夏と3度甲子園出場。入団テストを経て08年ドラフト6位で日本ハムに入団。父・満さんは元日本フェザー級王者のプロボクサー。通算777試合に出場し、打率.212、16本塁打、104打点、50盗塁。1メートル73、78キロ。右投げ両打ち。

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