阪神・藤浪 MLB最高のクローザーになれる メジャースカウトが“適性”評価

[ 2022年10月29日 05:15 ]

キャッチボールをする藤浪(撮影・岸 良祐)
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 11月1日からのポスティング申請期間(12月15日まで)スタートを控え、同制度を利用してメジャーに挑戦する阪神・藤浪晋太郎投手(28)の評価とは…。本人の「先発希望」とは対照的に、ナ・リーグ球団スカウトは潜在的なリリーフ適性を見いだした。

 「先発投手として100球を投げるのではなく、リリーフ投手として1イニング20球に集中して投げれば良い」

 先発に比べ、はるかに経験が浅い救援を推す要因は、近年苦しむ制球難にある。ただし素質そのものは認められている。

 「常時90マイル台後半(150キロ台中盤から後半)が出てフォームも良い。空振りが取れるスライダー、スプリットもあって高いレベルでの成功経験もある」

 最速162キロの剛速球と質の高い変化球に加え、大阪桐蔭高で甲子園を春夏連覇した大舞台の強さ、阪神入団3年で35勝を挙げた点もプラス材料。これらを総合して、力を発揮できるのは「リリーフ」と分析。同じような見解を持つ球団は他にもあるとみられる。

 近年の不振を把握し、獲得には「リスクはある」としながらも、「データの向こうにある才能」に懸ける価値は十分にあるという認識も示す。環境の変化で成功した例はMLBに多数あり、藤浪の大化けに期待を寄せた。

 代理人は、敏腕として名高いスコット・ボラス氏(69)に決まり、水面下で準備は進む。気になるのは条件面。このスカウトは「リリーフなら」と前置きした上で、最高評価する球団なら「3年総額1500万ドル(約22億5000万円)もある」と踏み込んだ分析をした。そしてすべての条件が藤浪にとって好転した場合の未来予想図として「MLB最高のクローザーとして年2500万ドル(36億円)稼げる可能性がある」と夢も描いた。

 ≪メジャー球「違和感ない」≫ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す藤浪が28日、甲子園球場の室内練習場でMLB公式球を使ってキャッチボールを行った。手元に届いた2、3日前から使用していると言い、「初めて投げたのは2、3日前。そんなに違和感はないです。WBCに行った時よりは投げやすくなっているかなと思います」と感触を口にした。

 同システムは11月1日から12月15日までが申請期間。すでに容認を受けた球団とは今後についての話し合いも進めているが、申請日の見通しなどについては「未定です」と話すにとどめた。当面は甲子園などを拠点にトレーニングを行う予定。「キャッチボールしつつ、オフなんで、しっかり体を鍛えて、という感じです」と話した。

 《近年の右腕投手の契約》近年ポスティングシステムでメジャー移籍した右腕投手では、19年オフの山口俊(巨人→ブルージェイズ)が2年総額635万ドル(約6億9000万円)。20年オフの有原航平(日本ハム→レンジャーズ)が2年総額620万ドル(約6億4000万円)で契約を結んでいる(レートは当時)。

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2022年10月29日のニュース